階級・甲の癸さん拾壱

472話　桜花side ページ14

桜花「癸さん…癸さん、癸さん！！」



宇髄「血が止まらねぇ…おい早く手当てしろよ！！」



胡蝶「してます…！！精一杯してるんです…！！」



止まらない血、冷たくなっていく癸さんの体、それらが何を示しているのか…分かった途端に、苦しくなる、息が出来なくなる。



累「A…ごめん、ごめんねっ…」



謝りながら癸さんの近くに行くものの、全然反応はしなくて。



桜花「やだっ…死なないで、死なないでよっ…」



零れていく涙は止まることを知らなくて。



『…泣いてるの…？』



…突然薄っすらと目を開けた癸さんは、小さくそう呟く。



桜花「癸さん！！死んじゃ嫌！！」



『…ふ、自分は置いてったくせに…置いてくなって…？』



冨岡「何を言っているんだお前はっ…それ以上話すな！！」



『…ねぇ、』



突然私の頬に手を添えた癸さんは…小さく微笑みながら、言った。



『…笑ってよ。』



桜花「…っ、」



…笑えるわけ、ないじゃんか。



『…救えなくて、ごめん…今度は、守れた、か…な…？』



優しく微笑む癸さんは…何故か、“懐かしく”感じて。



我妻「音が小さくなってく…！！」



嘴平「おい！やめろ死ぬなよ！！」



竈門「癸さん！」



私の頬の涙を…愛おしそうな表情で拭う。









.









.









.









.









.









.









.









.









.









.









『愛してるよ、おうちゃん。』









.









.









.









.









.









.









.









.









.









.









桜花「いかないで、A！！」









.









.









.









.









.









.

473話→←471話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す