階級・甲の癸さん玖

369話 ページ2

我妻「彼奴何も分かってないと思ってたのに…。」



伊之助くんがすぐに何処かに行った途端、そうやってぶつぶつ言いながら僕の近くに来る善逸くん。



『案外何も見てなさそうな子って見てたりするし、何も分かっていないからこそ誰かを勇気付ける事が出来る。

時に人を誰より助けられる…そういうものだと僕は思いますよ。』



そう言うと、少し口を尖らせながら僕を見る。



我妻「癸さんを元気付けられて助けられるのが彼奴、ってのが気に入らないんだよなー。」



『あはは、そうですか？』



我妻「そうなの！」



そう言った善逸くんは、何か思い付いたような顔をする。



我妻「癸さん！俺に何か出来ることない！？」



『…？出来ること？』



我妻「俺は炭治郎みたいに空気の読める発言も出来ないし、とは言え逆に伊之助みたいに全然空気の読めないことを言えるわけでもない。

中途半端なことしか…自分でやろうとしたら出来ない…けど！

癸さんが直接、これやってー、って言ったことなら出来ると思うから！」



…あー、この子達ほんといい子…僕の癒し…。



『じゃあ代わりに鬼倒してきて(真顔)』



我妻「えええええ！？怖いんだけど！？

…いや、でもそれで癸さんに元気が出るなら…でももし死んだら…」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ



ぶつぶつ言いながらもそれさえやろうとしてくれる善逸くんに少し笑ってしまう。



『嘘ですよ、嘘。それならちょっと付いてきてください！』



そう言って腕を引っ張る。



我妻「え…癸さん！？」

370話→←368話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す