358話 ページ39
伊黒「…前聞いてしまった、失ってしまった家族のことか。」
『ふふ、そうですねぇ。』
空を見上げながら目を瞑る。
『空は…僕にとっては“家族”なんです。
血の繋がりのない家族は、僕にとって少なくなくて…それでいて、何よりかけがけのない存在だった。
本当の家族と上手く行くことがなかった僕だからこそ…みんなが大切でした。』
其処まで言って、指を絡めた手元を見ながら呟く。
『…だからこそ、家族を失う理由になった奴が許せない。』
伊黒「…つまり…」
『…埜田雪希は…妹が壊れる理由となった奴なんです。』
誰にも言っていなかった…言うつもりのなかったこと。
何で話しているのか…正直自分でもよく分からない。
『妹は壊れた…なのに彼奴はのうのうと…変わることなく生き続けた。
…妹は…彼奴が理由でっ…』
ぎゅっ、と強く手を握れば、あまりの強さに手から血が出てしまう。
…許せない、許せないんだ…!!
伊黒「…A。」
『…え、』
突然名前を呼ばれ驚きながら伊黒さんの方を見る。
すると…何故か突然、ぎゅっと抱き締められる。
『…な、にを…』
伊黒「…家族に何かされたのならば、家族が壊れる理由になったのならば、嫌いになるのも無理はない…恨んでしまうことも無理はない。」
…この人は、何を、
伊黒「だからそんなに…自分を責めるな。」
『…!!』
伊黒「…お前は悪くない…自分を、恨むな。」
…ああ、そっか分かった…この人は、“よく似ている”。
『…あはは、腹立つ、なぁ…』
…何で分かるんだよ、貴方に…僕の、落ち着く、言葉が…。
…欲しい、言葉が…
521人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
396ミリ - 物語にめっちゃ引き込まれる感じがすごい(文章上手すぎてやばい) ところで更新早くないですか?続きまだかなってまた時間がなさすぎてやばい(嬉しいけど) (2019年10月11日 9時) (レス) id: 5351313aed (このIDを非表示/違反報告)
名無しのこけし(プロフ) - まじ更新頻度高すぎて泣くんだけど((意味不。要するに、嬉しいってことです! (2019年10月11日 0時) (レス) id: a68eb9f538 (このIDを非表示/違反報告)
心月美玲(プロフ) - ポン太さん» いえ!此方こそリクエストありがとうございました〜!!寒くなってきましたね〜!!ありがとうございます!!ポン太様もお体にお気をつけください…!!頑張ります!!!! (2019年10月10日 22時) (レス) id: d8253c3587 (このIDを非表示/違反報告)
心月美玲(プロフ) - 桃風味の水さん» そうですかねwwありがとうございます〜!! (2019年10月10日 22時) (レス) id: d8253c3587 (このIDを非表示/違反報告)
心月美玲(プロフ) - トトロッチさん» 趣味だし暇人なので!!(そこ)ありがとうございます!!頑張ります!! (2019年10月10日 22時) (レス) id: d8253c3587 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ