階級・甲の癸さん伍

197話 ページ14

ガンッ



冨岡胡蝶「！？！？」



…今のは、僕が机に頭を打ち付けた音。



ひりひりと痛む頭を抑えながらも、もう僕は顔を上げることが出来ない。



…急に目の前の美形に、嘘のない目で顔を褒められた。



『…新手の拷問の次は新手のいじめですかね。』



伊黒「どういう意味だ。」



何度でも言おう、僕は女だ(真顔)



そしてイケメンに褒められて無表情無感情を保つほど精神も鍛えられてはいない。



正直に言ってしまえば、めちゃくちゃ照れた。



胡蝶「ちょっと伊黒さん？？癸さんに何をしたんですか？？」



伊黒「話をしただけだ。」



冨岡「刀を持って表へ出ろ。」



伊黒「本音を言っただけで何故表へ出なければならない。」



『ほんっ…』



胡蝶「癸さんに何をしたんですか？？？」



伊黒「二回も聞くな、話をしただけだと言っているだろう。」



胡蝶「また何か暴言を吐いたんですか？」



「全くもう…」と言いながら僕の近くに来て「大丈夫ですかー？」と問い掛けてくる。



寧ろ暴言の方がまだ良かった、慣れてる(頭抱え)



今に限ってはマジの意味で頭抱えてます(遠い目)



『お姉さんごめんなさい…五分経ってないですけど…無理ですもう…。』



胡蝶「よく分かりませんが、仕方ありませんね。」



そう言いながら面を渡してくれる。



すぐに付けて誓う。



…僕はもう二度と、面を外して伊黒さんと見つめ合ったりはしない…。



急にああ来るとマジ無理だから…。

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