階級・甲の癸さん肆

180話　竈門side ページ43

桜花「変に動くなよー。」



竈門「分かった…。」



甘かったなぁ…。



最終選別で八人の鬼に会ったけどどの鬼もまともに会話できる状態じゃなかった。



問答無用で殺そうとしてくるし…。



鬼が人間に戻る方法を…それだけを知りたかったのにちゃんと聞けなかった。



ごめんな禰豆子…ごめんな。



動くに動けない俺を、見兼ねたのか背負って家まで向かってくれる。



…迷惑もかけて…



ミシッ



「ん？なんの音だ？」



桜花「家の方からしたねー。」



ドガッ



鱗滝さんの家を見ていると突然扉が吹っ飛ぶ。



そして中から出てきたのは…



竈門「禰豆子ォ！？お前っ…起きたのかぁ！！」



二年経っても全く起きなかった禰豆子が今、俺達の目の前に立っている。



禰豆子は俺達の元へ駆け寄ってきて…抱きつく。



竈門「わーーーっ！お前なんで急に寝るんだよォ！

ずっと起きないでさぁ！死ぬかと思っただろうがぁ！！」



桜花「…良かったぁ。」



その時、



鱗滝「よく生きて戻った！！！」



上から被さるように鱗滝さんがそう言いながら抱き締めてくる。



面越しでもわかる…鱗滝さんも泣いている。



鱗滝「桜花も…二重の恐怖があったはずなのに…」



…鬼と戦いながら、もしかしたら気付いた誰かに殺されるかもしれない。



そんな中で桜花は戦っていたのか…。



そして俺達は暫く抱きしめ合ったまま大声で泣いた。



…桜花以外が。

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