階級・甲の癸さん肆

175話 ページ38

桜花「ほらほら来い来い鬼どもー。」



軽くそう挑発すれば、それに乗って襲い掛かってくる。



その調子で鬼達を近くまで集める。



桜花「…あと三体くらいなら一気に行けるかな…。」



そう言いながら走ると、隊士希望の子が刀を落として危なくなっている所を見掛ける。



桜花「はい！！君立って！」



そう言い手を貸せばすぐに立つ。



桜花「私が合図するとともにあっちへ向かって走る。いい？」



「で、でもこの量…」



桜花「わざと集めたんだよ、わざとね。」



そう言って…全集中の呼吸の準備をする。



桜花「…今！！」



隊士希望の子が走ったと同時に、刀を抜く。



桜花「虹の呼吸、壱ノ型・赤の月“有明月”。」



鱗滝さんが言ってた。



虹の呼吸は…他にもいくつかある伝説の呼吸の中でも、技数が一番多いって。



型は全部で八…その内の七つの型それぞれが、五つずつの技を持つ。



有明月により、周りに居た鬼が全滅する。



桜花「…伊之介とかカナヲとか会いたいけど…やめておこう、鬼ってバレたら面倒。

善逸…は、女だし正気あるから平気そうだけど…即バレそうだし近付かない。」



とは言え玄弥は玄弥で絡むにもなぁ…諦めるしかないのか。



桜花「…私は鬼を倒しながら自分が殺されないようにしないといけないのか(真顔)」



其処までみんな気付くほど強かったりはまだしないと思うけどね！！



…ていうか、烏天狗の面の人…善逸みたいだったねって今更。

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