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67話 ページ21

『…貴方の弟くんは…貴方を救いたかったんじゃないかな…。』



陸「救いたかった…?それなら、何故…!!」



『…人は時に、人を守るため鬼となる…。』



抱き締めたまま優しく撫で…告げる。



『…貴方の住んでいる村は、もう時期人が居るにも関わらず…焼き払われる所だった。』



陸「…!?」



『…大人達が勝手に決めたこと…子どもをその村を焼く際に生贄にすることで、次の村が発展するように…。

貴方の弟は、それをたまたま聞いてしまって…貴方だけでも救いたかった。

でも普通に救うんでは…途中でバレてしまい、戻されていたかもしれない…。』



陸「っ…何言ってんだ…なら何で崖から落とした!!」



『…崖を見たなら分かるはずだよ…あの崖は、そんなに高くなかった…。

大怪我はするかもしれない…でも、死ぬような怪我はしない…そのような…。』



…貴方を落とす時の弟の顔…とても、悲しそうだったよ。



『…弟さんは貴方のことが大好きで…貴方だけでも、どうにか救いたかったんだろうね…。』



そう言うと、涙を流す。



陸「…俺が鬼になって、弟を見に行った時…村は既に焼け焦げていた…。

其処からは、弟の亡骸も出てきたんだ…でもそれを俺は信じたくなかった…。

…だから、自分の記憶に蓋をして…弟に殺されたと…思い込んでいたんだな…。」



…嗚呼、やはり人間は、



『貴方のしたことは決して許されることではないよ。

…でも…出来るものなら…次生まれ変わったら…弟さんと、幸せな人生を送って…。』



陸「っ…ごめんっ…ごめんなぁっ…ほんと…許されないけどよっ…ごめんっ…」



灰になっていく彼の頭を、優しく撫でる。



『…おやすみなさい…。』



そう言うと…彼は、何処か清々しい顔をしながら…言った。



陸「…ありがとう…お前に出会えて…お前に斬られて…良かったよ…」



…そして彼は、灰となった。

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- どうやって剣を振るだけで雨が降るんですか????意味がわかりません (2021年7月20日 22時) (レス) id: 8ecfd55735 (このIDを非表示/違反報告)
- キラキラした目の累くん…………めっちゃかわいい!! (2019年10月22日 22時) (レス) id: f2a5c7d6f6 (このIDを非表示/違反報告)
カビゴン可愛いよね(プロフ) - いつも楽しませてもらってます!今読み直してて思ったのですが、弐の93話、一番下から二行目のところが、出来てるになっています! (2019年10月12日 15時) (レス) id: 4caa5ba391 (このIDを非表示/違反報告)
弥雪(プロフ) - めっちゃ面白い! 頑張ってー (2019年10月12日 13時) (レス) id: 3264335349 (このIDを非表示/違反報告)
心月美玲(プロフ) - 中原悠さん» ありがとうございます!!頑張ります〜!! (2019年10月5日 17時) (レス) id: d8253c3587 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:心月美玲 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年10月4日 20時

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