保健委員と白布くん【白布賢二郎】

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白布「白戸さん、クラスメイトの名前みんな覚えてんの？」



『え!?私そんな超人じゃないよ!?クラスにも行ってないのに…。』



白布「いや、オレのこと知ってたから。」



そう言うと、困ったように視線をずらす。



『…その、白布くんは有名人だから…。』



白布「有名人？」



『だって、全国常連の男子バレーボール部の正セッターでしょ？

多分この学校に白布くんのこと知らない人なんて居ないんじゃないかな…。』



白布「…そんなに？牛島さんじゃないの、それ。」



『確かに牛島さんも有名だけど…ほら、白布くんはモテるし、さ。

綺麗な顔してるし…正セッターだし、勉強も出来るし…女子の憧れの的、なんだと思うよ？

私は去年の友達がそう言ってたのを知ってるからってだけだけど…。』



…別に、誰にどう思われていてもどうでもいい。



ずっとそう思っていたはずなのに…何でだろう。



白戸さんに言われると…何故か嬉しいんだ。



白布「…そっか。」



『…すごいねぇ、何でも出来るなんて…かっこいい。』



白戸さんに褒められると、こそばゆい。



白布「そんなことない。出来ないこともある。」



『そりゃ当然だよ、人間なんだから…出来ないことだってあるよ。

…でも、他のことでそれが補えているから…良いんじゃないかなぁ。』



…白戸さんは、人を褒めるのが上手だね。



そう言いたいのに…上手く言葉が出て来ない。



…ほら、ね…オレにも出来ないことがある。



白布「…ありがとう。」



思ったことを、素直に口に出せないんだ。

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