階級・甲の癸さん拾肆

605話 ページ5

童磨「辞めたらAは俺を好きになってくれるかい？」



『聞きましたか猗窩座さん、この人卑怯ですよ。』



猗窩座「屑だな、心の底から軽蔑する。」



童磨「そんな目で見ないでおくれよ。」



本気で言っているのかこいつは、って思いながら目を見ると…今回目は本気っぽくて。



『少なくとも今よりは好きになるとは思います。』



童磨「んんん…でももう何百年と殺して喰ってしてるからなぁ…難しい。」



…だってさぁ、



『鬼の中でも強い十二鬼月の上弦達がもし人を喰うのを辞めたりすれば、いずれ鬼と人間が共存出来るという証明になるじゃないですか。

てかそうでもしないと、いずれあなた達を殺さないといけなくなりそうで怖いんです。』



こう見えて大切な友達だとは思ってるんだから。



黒死牟「………対峙した時は…迷わず刀を振れ……。」



『嫌ですね、友達斬るくらいならその前に自分を斬る。』



家族、友達、仲間…そんな人達のために生きると決めたのに、殺したりするなんて…そんなのダメだ。



童磨「俺も流石にAと戦うことになったら躊躇しちゃいそうだな〜。」



『貴方が一番躊躇しなさそうだよ。』



猗窩座「好きだからで殺しそうだな。」



『ひえっ』



童磨「二人の中の俺の印象が凄く悪い気しかしないんだけど。」



正直言うと鬼の中で最も人の心がないのが童磨さんだと思ってる。



何せ感情皆無男ですからね。



…今は少しはあるっぽいけど。

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