階級・甲の癸さん拾肆

639話 ページ39

「二つ目…“生の呼吸”について。

これも六つの型があって、此方も今は五つの型まで教えるね。

壱ノ型・夢の燈(ゆめのあかり)。

過去や現在に見ている“夢”を見させる…Aで言えば、鬼と人間の共存とかね。

弐ノ型・生霊の鼓動(せいりょうのこどう)。

これは防御技…自分か誰か第三者を守る時に使うものだよ、一度使ってたよね。

これを使うと、Aの刀でしかその防御を壊すことは出来ないから。

…それと…これは同時に自分と第三者を守ることは出来ない…第三者の場合は、複数人でも守れるけどね。

参ノ型・治癒の舞(ちゆのまい)。

名前の通りだね、治癒の技だよ…鬼の傷でも人の傷でも癒す事が出来る。

肆ノ型・心の憩い(こころのいこい)。

大抵の傷や病気などは治癒の舞で治せる…でも、本人の意思でどうしても終わらせたいと言った場合…これで、苦しまずに安らかに逝く事が出来る。

伍ノ型・愛の歩(あいのあゆみ)。

人間道と近いけれど違う…これは、心の奥底に眠ってしまった大切な記憶を全て呼び起こすことが出来る技なの。

場合によってはその人を壊してしまうから…よくないんだけどね…それでも、どうしても思い出さないといけないことって言うのが…人にも鬼にも、あるから。

あなたがそれを思った時に、使って。」



…生の呼吸…これは、全然知らないものだ…。



「生の呼吸は、崩すものではなく…守り、救い、取り戻すもの…大切な誰かのために使って。」



『…はい。』

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