637話 ページ37
『…僕を、待っていた…?』
「そう。…覚えてない?」
そう言われた瞬間、やっとその声を思い出す。
『もしかして、累の時の…!?』
「そう!思い出してくれたんですね!良かったぁ!」
「もし思い出してくれなかったら一発殴ろうかと思ってたの!」なんて物騒なことを良い笑顔で言ってくる。
顔に似合わずバイオレンスなこと考えるのやめよ??
『でも…待っていた、って?』
「…そのまんまだよ、あなたにしか出来ないことがあったから…待ってたの。」
にこり、と微笑むその人は本当に可愛らしいな…なんて思う。
「…それで、今回は私からあなたに…いくつか教えようと思っていることがあるから。」
『…教える?』
「言ってなくても分かってたみたいだけどね。」
その人は指を立てながら順を追うように言っていく。
「一つ目、“死の呼吸”について。
二つ目、“死の呼吸”と対を成す“生の呼吸”について。
三つ目、“死の呼吸”、“生の呼吸”、その二つでも禁じ手…奥義であり最後の手立てとなるもの。
四つ目、同じく禁じ手であり奥義になる最後の手立て、此方の方が三つ目よりもずっとなんだけど…それ。
…そして五つ目、過去と今のこと。」
『…死の呼吸、生の呼吸…過去と今…』
「そう。」
…待って…
『…此処は?』
「…私の意識世界とあなたの意識世界を合わせたもの。
そしてこの桜は…私とあの人の、思い出である桜…。」
…優しく、悲しそうに微笑むその人を見ると、何も言えなくなってしまって。
僕には聞くことしか出来ない。
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ばりお。 - 先日見つけてから面白すぎてスマホから手が離せない…。つい夜更かし(12時過ぎ)まで読んでしまう (2019年12月3日 22時) (レス) id: 1a062a0ebf (このIDを非表示/違反報告)
あやのん(プロフ) - 「おはしも」だったんですね。私の地域は「は」ではなく「駆けない」の「か」で「おかしも」でした。 (2019年10月19日 20時) (レス) id: b41524b4b3 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - あ、やべ誤字脱字した楽しみにしてます^ ^ (2019年10月19日 17時) (レス) id: 1608bc4284 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 逆ハーなのにここまではスラスラ読めたの初めて続きめっちゃ食べ2してます^ ^ (2019年10月19日 17時) (レス) id: 1608bc4284 (このIDを非表示/違反報告)
海月猫(プロフ) - 更新ありがとうございます!これからも頑張ってください! (2019年10月19日 12時) (レス) id: db1e8d80c6 (このIDを非表示/違反報告)
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