episode2 ページ3
私がカルマくんとキスフレになった理由は、カルマくんと関わることが全くなかったから。
カルマくんの隣の席なのに、カルマくんとは数回しか話すことがなかった。
だから、二人で日直だった時は嬉しかったの。
カルマくんが好きだから。
それでも話すことは少なくて、なんだか寂しくて辛くて。
私には興味がないって思った。
興味がなくても話くらいしてくれていいじゃない、って思った。
口に出た言葉は全く違う言葉だったけど。
『赤羽くんは好きな人とか気になる人いるの?』
カルマ「いるよ〜。好きな人は秘密だけど、気になる人は奥田さん。怪しい薬とかクロロホルムとか作れそうじゃん?俺のいたずらの幅が広がりそう」
『絶対くっつけないようにしなきゃ皆が危ない気がするよ…。好きな人はE組にいるの?』
カルマ「いないよ。てか、絶対叶わない片思い」
『……ぇ?』
カルマ「俺さ、昔お世話になった人がいるんだ。その人と結婚した人に、絶賛片思い中で。日暮さんはいるの?」
『Aでいいよ?……私も好きな人いるけど、同じ。絶対叶わないかな。その人には好きな人もいて、いつも遠くを見てるの』
カルマ「じゃあ俺もカルマって呼んでよ。似た者同士、相談相手と親友としてよろしくね、A」
『っ…うん!よろしくね、カルマくん!』
数週間後再び回ってきた二人での日直。
いろいろ話して会話が途切れた頃、話を切り出したのはカルマくんだった。
カルマ「ねぇ、好きな人が他の人を見てるのって苦しいね…」
『……うん』
その好きな人が私ではないと言い聞かされる。
だって今日も好きな人関係で相談されたから。
カルマ「ねぇ、俺の欲求、Aが満たしてよ」
『……ぇ…?』
カルマ「《キスフレ》になるだけでいいから」
カルマ「俺を満たしてよ。好きな人を忘れるくらいに」
『……私も、好きな人を忘れるくらい、カルマくんで満たしてよッ…もう嫌なんだよっ……』
カルマくんは満たされても私は満たされない。
わかっていながら、その日から新しい関係が、間違った関係が生まれていく。
私は、君に惹かれるばかりで、満たされたいもので満たされない。
そんな感情にも慣れて、ファーストキスもカルマくんだし、もうどうでもいいかな、って。
カルマくんが私をただのトモダチとしか見ていないなら
私も“今のカルマくん”を諦めるだけだ。
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ゆき(プロフ) - 読んでいてガチめに泣きました!更新頑張ってください (2015年7月31日 12時) (レス) id: b4e2aa2e5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かなめ | 作成日時:2015年6月20日 23時