54話 ページ10
真弥に
何度も止められた。
だけど、こんなにもあったかい気持ちは
始めてだったから。
誰と話してても自分を隠さなきゃって、
1人で居なきゃって、ずっとそう思ってた。
だけど先生にだけは、
本当の自分を見せたいと、
心の底からそう思ったから。
「先生……いえ、桐山さん……！」
驚いたような表情の先生。
玉砕覚悟の告白。
先生と関わるのがこれで最後になってもいい。
せめて気持ちを伝えたいから。
「前からずっと……好き……でした………！」
「……Aちゃん」
優しく微笑んで頭を撫でる先生。
嗚呼、失恋しちゃったかなぁ。
覚悟してはいたけど、
やっぱりやだなぁ。
「俺も好きや。
始めて会ったときからずっと」
「！…………せんせ……」
「ほんまは俺から言いたかったなぁ…
まぁ、可愛かったからええけど」
自然と涙が溢れて止まらない。
少し慌て出した先生。
「え、え、どうしたん？！
え、ちょ、」ヾ((；´･ω･)ﾉあわあわ
「せんせぇ……」( ；꒳； )
止まって欲しくても中々止まらない涙。
ひたすら袖で拭っていると、
先生がそっと腕を掴んでくる。
「うぅ……」(´つω；｀)
「目赤くなるで？ほら。な？」
この眩しい笑顔も、私だけのもの。
みんなに向けられてた笑顔は
独り占め出来ないけど
私だけに向けてくれる笑顔があれば
それでいいかな。
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作者名：森姫 | 作成日時：2021年7月9日 7時
