52話 ページ8
とりあえず家に上げてもらった。
話さないと。
Aの昔の恋人の話とか。
勝手にごめんねA。
もう傷付いて欲しくないだけだから。
「……桐山さん…Aの昔の話、
聞いてくれますか? 」
そう言うと桐山さんは、
真剣な表情で頷いた。
「…Aは昔から、
重度のダメ男に引っかかりやすいんです。
平気で暴力を振るうやつ、
彼女を金づるとしか思ってないやつ、
重度のソクバッキー…くらいですかね」
「待って?話さえぎってごめんな真弥ちゃん。
1個聞いていい?」
「なんですか」
「Aちゃんの人生の密度どうなってんの?
みっちみちやん。詰め込みすぎやろ。」
「あいつ、割と惚れっぽいんで…」
案の定な質問をしてくる桐山さん。
冷静に答えておく。
「まぁ、一言で言いますね。
遊びなら、
今のうちに捨ててあげてください」
「!」
「……それだけです。
そろそろAが来ると思うので、
私はこれで。
おやすみなさい桐山さん。
どうかあの子を_____」
「…………わかった。ありがとう真弥ちゃん。
おやすみ」
今日はやけに冷え込む。もう6月なのに。
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作者名:森姫 | 作成日時:2021年7月9日 7時