46話 ページ2
「Aちゃん……
……俺な……」
「「A!!!!!!」」
先生の声を遮って、
ツインタワーが声を荒らげながら、
保健室に入ってくる。
人気者で引っ張りだこの先生を
独り占めしているという少しの優越感は、
あっという間に崩された。
「大丈夫?若干涙目やん……
あいつらになんかされたん?」
「あ……えっと………大丈夫…だよ…?」(*^^*)
「「良かったぁ…………」」
安心させるためにずっとニコニコする。
そしたらみんなほっといてくれる。
一人にさせてくれる。
視界に映る雫は見ないふりをしておこう。
「まだ保健室おるん?」
「っ……えっと…」
望くんに聞かれたから答えようとする。
けど、喉に突っかかってるみたいに、
上手く言葉が出てこない。
「もうちょっと休ませるよ。
ほら、授業始まるから、2人ともはよ戻り」
優しい声色で先生が言う。
それだけでまた泣きそうになり、
またそっと俯く。
すると2人は、少し心配そうな表情になる。
「…無理せんとゆっくり休んでや…?」
「……俺ら戻るから…お大事に…」
少しだけ、嬉しかった。
今、あそこに戻る勇気はなかったから。
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作者名:森姫 | 作成日時:2021年7月9日 7時