ライバルは先生〜1〜

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次の日の昼休み、私は急いであの階段に向かった。







「…やっぱりない…」




貰ったものをなくすのは結構ヘコむ…。




ごめんよ、岩ちゃん…



心の中で岩ちゃんに謝罪する。








「はぁ…どこで落としたんだろ」









「これ探してんの？」







と言う声が後ろから聞こえ、目の前にキーホルダーが現れる。









聞き覚えのある声に私は嫌な予感がしながらも、ゆっくり振り向く。









「…と、登坂先生…」






1番拾ってほしくない人の手元にある私のわんちゃん。









臣「昨日ここに居たらさぁ、これ拾ったんだけど



誰のか知ってる？」






ニヤっと笑いながら聞いてくる。




こいつ…絶対わかってるくせに…







「あれ…なんか、私のに似てるような似てないような…」






そう言いながらキーホルダーを掴もうとすると、ヒョイっと避けられる。







「ちょっと、なんですか？」






臣「お前のなの？」







待てよ？
ここで認めたら覗き見していたことがバレるじゃないか。







「いやぁーなんか、１年前くらいになくしたキーホルダーに似てるなぁー」







我ながら嘘が下手だ。








臣「ふーん、そうなんだ」








え、信じたの？








臣「返してほしい？」









「是非とも」








臣「じゃあさ…」






と言ってジリジリ距離を詰めてくる。







「え、え、」







私を壁に追いつめ、顔の横に手をつく。




これは、



噂の




壁ドンってやつですか？









臣「俺の言うことなんでも聞く？」









「…は？」









何言ってんだ？


確かに、今この人の手元にあるキーホルダーは岩ちゃんに貰ったとても大切なものだ。



でも、キーホルダーを拾ってもらったくらいでなんでも言うことを聞く…？



おかしい、実におかしい。








「…無理です」









臣「あっそ、

じゃあ返せねぇな」






「…」









こんっの極悪教師め！

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