ライバルは先生〜1〜

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「ぬおぉぉぉ！」




どうも苗字Aです。

今、私はマンガの主人公のように、食パンをくわえながら走るという、自分でも笑っちゃいそうなシチュエーションになっている。




なぜなら、





「遅刻するぅぅ！」





そう、春休みのおかげですっかり怠けた体はなかなか素直に起きてくれないのだ。



だいたい、お母さんが弟のことは起こすくせに私のことは放置なのがいけないと思う。
理由は、”蹴っ飛ばされるから”と言っていードン！






「ぎゃあ！」




頭の中でマシンガントークをしていると、曲がり角で誰かにぶつかった。


え、なにこのベタな展開。


今日の私はマンガのヒロインか？

これぶつかった相手が運命の人とかあるんじゃないの？





…って、そうじゃなくて！






「ご、ごめんなさい！」







？「…ってぇ」







そう言いながら顔を上げたその人。






…王子様ですか？


か、かっこよい…

あまりに整いすぎているお顔に見惚れていると、





？「なに」





と、ちょっと不機嫌そうに言う王子様。





「あ、す、すみません！

お怪我ありませんか？」






？「多分ない」






「よ、良かったぁ…」





こんな王子様に怪我でもさせたら誰かしらに殺られそうだ。






「…あ！ち、遅刻！

すみませんでした！
失礼します！」






私は深く頭を下げて再び走り出した。







？「…変なやつ」








ふっ、
と小さく笑った。

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