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少し、酔っ払ってるな。
フワフワして気分がいい。
こんな風に楽しい飲み会はいつぶり？
もう何年も、遥か彼方昔にあった気がするけど。
でも、この楽しさ…というか心地よさは、
両親と私の3人で食事をした頃を思い出させる。
両親がなくなったのは、高校生の頃。
まず父が交通事故で亡くなり、
後を追うように母親も病気を患って亡くなった。
専門学校を卒業するまでは、
父方の祖父母が面倒を見てくれたが、
今では2人も天国だし…。
でも、寂しくなかった。
両親にも祖父母にも可愛がられたし、
社会人になってからは忙しくて
寂しいなんて言っている暇はなかったから。
韓国に来てから私の心には
いい意味で少しすき間ができたようで、
この状況を楽しみながらも、昔を思い出して
少し、切なさを感じる人間らしさを取り戻していた。
そんな時、一本の電話が。
さっきの貸衣装屋からだ。
『ちょっと電話してくるね』
JN「仕事？」
『はい、でもすぐ戻ります』
そう言って会場を抜けて、人気のない屋上に。
ベンチに腰掛けて、電話を掛け直す。
事務作業を手短に済ませてふと空を見上げると、
星が2つだけ光っていた。
『あれがお父さんで、こっちがお母さんかな？』
屋上に自分しかいないのをいいことに、
思ったことをそのまま口にしてみた。
『お父さん、お母さん。
私色々あったけど、元気だったよ。
会社が倒産しちゃってどうしようかと思ったけど
今は縁があって韓国にいる』
当たり前だけど、返事はなくて。
ただ少しだけ、さっきよりも星が光って見えた。
『BTSって分かる？世界のトップスター。
今、その人たちの専属スタイリストなの』
お願いだから「そうか」って言って。
「頑張ってる」とか「応援してる」なんて
そんなわがまま、言わないから。
『みんないい人たちだよ？
すごく私のこと気にかけてくれるし、
それに、選んだ衣装完璧に着こなしてくれるしね。
あと、あとはね…』
もう、やめよう。
伝えたいことはたくさんあるけど、
こんなことしても天国の2人を困らせるだけだ。
いつも肌身離さず持っている
母からもらったお守りを鞄から取り出し、
その中から最後に撮影した家族写真を引っ張り出した。
2人ともいい顔している。
この時の服、私が選んだんだっけ。
そんなことを考えているうちに、
星は雲に隠れて消えていて。
私は、ここ一週間の疲れと寝不足に負けて
そのまま眠ってしまった。
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みこち(プロフ) - ぱぴこ(元AUS)さん» コメントありがとうございます！仕事が忙しくなかなか更新ができていませんが、長い目で見守っていていただけると幸いです！ (2021年7月2日 21時) (
レス) id: dae6f90cd4 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(元AUS)(プロフ) - 続きとてもとても楽しみにしています！！！ (2021年7月2日 19時) (レス) id: 246b4ca496 (このIDを非表示/違反報告)
a0906uw(プロフ) - 美海(ﾐｳ)さん» コメントありがとうございます！見入ってしまうなんてとても嬉しいです！これからも頑張りますので、引き続きお楽しみ頂けますと幸いです！ (2021年6月20日 15時) (レス) id: 206d05cf3f (このIDを非表示/違反報告)
美海(ﾐｳ)(プロフ) - すごく見入ってしまうお話で、めちゃめちゃ愛読してます！これからも楽しみにしてるので、頑張ってください！ (2021年6月20日 12時) (レス) id: daf6e76b56 (このIDを非表示/違反報告)
a0906uw(プロフ) - ゆっこさん» コメントありがとうございます！初めてコメント頂けて嬉しいです（泣）知識不足で色々と読みにくさもあると思いますが、完結までなんとか頑張ります！ (2021年6月19日 20時) (レス) id: 206d05cf3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みこち | 作成日時：2021年6月16日 12時
