雨の夜、いつも君は泣いていた。【桃】

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バスに乗って最寄りの鉄道駅まで30分。



そこから電車に乗って2時間。






2人だけの空間では特に話すことはなくて


気付いたら札幌に着いてた。







A「...遠かったですね。すいません。付き合わせてしまって」







望「ええって。...どうせ暇やったし。逆に久し振りにこっち来たから楽しみやわ」






...俺らしくないフォロー。




心の中で思わず苦笑い。








A「...そっか、それなら良かったです。」









それでもホッとしたように笑う彼女に、







たまにはこんな俺でもええかな、なんて思った。








望「...先、飯食わへん？」








札幌に着いた時にはもうお昼はとっくに過ぎてた。








ラーメンが食べたいです、と無邪気に笑った彼女。







濱ちゃんが前に連れてきてくれた店に連れて行くと、





美味しいです！、と嬉しそうに笑っていて





素直に感情を表せる彼女が羨ましいと思った。







...俺もこんな風に笑えたらええのに。




なんてな。







彼女の買い物はとにかく豪快やった。





滑り止め付きのブーツ、


手袋、


耳あて、


ニット帽、


厚手のコートに、靴下、



ニットも何着も買ってた。







望「...なぁ、お金大丈夫なん？」








何の躊躇もせずにぽんぽんと物を買っていく彼女に俺の方が不安になる。








A「...大丈夫です。ここに来る前、死ぬほど働いてたから、このくらいなら全然(笑)」







ホンマに不思議な子。








A「...あ、小瀧さんあっちのお店見ててください。...女の子の事情です(笑)」








そう言って颯爽と下着屋さんに入っていってしまった時には、流石に困ったわ。

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