雨の夜、いつも君は泣いていた。【桃】

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その日、流星は教室を出たまま帰ってこなかった。



その後俺の噂はあっという間に学校中に広まって、




廊下に出れば







『小瀧くんって藤井くんの彼女奪ったらしいよ』


『誰とでも寝るってホントかな？』


『あんた、相手してもらいなよ(笑)』






コソコソと俺を見ながら笑ってるやつらばっかり。







...流星に昨日のことを言うべきなんやろか。






彼女は本当は俺のことが好きやったんやって、





そう言いに俺の家に来ただけやって、









...そんなこと言えるわけない。








誤解を解こうとしたって流星を傷つけてしまう方法しか思い浮かばへん。








明日は流星と話ができるやろか。








【さっきは誤解させてごめん。明日ちゃんと話したい。】








流星にメールを送った。







流星を裏切ることはしてへん、


それだけは伝えたかった。









明日になれば全て元通りになるなんて考えとったけど、






...俺はまだ想像できひんかったんや。









こんな些細な出来事が俺の一生をひっくり返してしまうということを、




大切なものを失う苦しさを。

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