雨の夜、いつも君は泣いていた。【桃】

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高校も同じところに進学した。





15クラスあるマンモス校やのに、
奇跡的に同じクラス




変わらずサッカー部に入部して、
まもなく2人してレギュラー候補にもなった。






全部が順調やった。








そんな時に流星に彼女ができたんや。







1年の冬休み前、確かそのくらいの時期やったと思う。





大人しそうな子やけど、流星に見せる笑顔はキラキラしとる。




純粋に可愛らしい子やと思った。







ええな、流星に先越されてもうたわ





なんて勝手にいじけてみたりしてな...







やけど流星は彼女ができたって何にも変わらんくて、





前と同じように遅刻するし、




授業中の居眠りやって当たり前。





移動教室の時は絶対忘れ物して怒られとったしな。






ホンマに何も変わらへんかった。







...たった１つだけ、変わった事といえば






いつも2人で過ごしてた昼休みが3人になったこと。






俺はええよ、って遠慮してたのに、流星がどうしても隣のクラスから彼女を連れてきてまうねん。






彼女、ハナちゃんっていうねんけど







いつも困ったようにはにかんで
流星に手を引かれて教室に入ってくるから
その光景がなんだかおかしくて




思わず吹き出すと






流「...何？」







なんてムッとした顔で聞いてくるねん






望「別に？...流星ってさ、ホンマにハナちゃんのこと好きなんやなぁって思っただけ(笑)」







顔を覗き込んでからかうと



そっぽを向いて






流「...当たり前やん」







ぼそっと呟く流星。







流星の照れた顔見ながらお昼食べるの結構楽しみやってん。








...流星たちの幸せを一番に願ってたのは俺やねんで？

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