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6(25歳) ページ6

「はー今日も聞き込みの成果なしかーってうわ不吉、なんでチェーン切れるの」

憧れの警察官になって数年、新米刑事として事件の聞き込みに深夜まであっちこっち歩き回って疲れた私にさらに追い打ちをかけるかのように、成人のお祝いに友人達からもらったネックレスがなんの前触れもなしに地面に落ちた。

拾い上げてみると、留め具のところからチェーンが切れていて、ため息がこぼれる。

「アクセサリーショップとか持って行けばいいのかなぁ」

とりあえず無くさないようにポーチにでも入れておこう。

そう思った瞬間、私の手の中にあったはずのネックレスが消えて、突然の出来事にあたりを見回すとすぐ目の前に飛んでいくカラスが目に入った。

「ちょっそれ返して!!」

大事な私の宝物なのになんて半泣きになりながら追いかける。

全速力で走っているけれど、鳥のスピードに追いつけるわけもなく、どんどん引き離されていく。

もうこんな深夜になんでカラス起きてんのよ!寝てろよ!これだから都会のカラスは!!
はーもういっそのこと発砲してしまいたい。

そんな物騒な事を考えていると、どこから現れたのかもう一匹のカラスがネックレスを奪おうと攻撃を仕掛けた。

空の上で喧嘩しあっている2羽の間からポロリと光る物が落ちるが、2羽はそれに気づいていないのかまだ喧嘩を続けていて、チャンスとばかりに走り寄る。

だいたい落ちた場所の下にやってきたが、それらしい物は無くて、上を見上げてみると、ビルの屋上の手すりらへんにうっすら光る物が見えた。

「あれだ!」

カラスがまた盗らないうちにと急いでビルを駆け上がる。

廃ビルだったようで鍵が空いていたのは幸いだった。

「はぁ、はぁ…あった」

一気にビルを登ってきたせいで上がる息もそのまま、ネックレスがあるであろう場所へと向かうと、ひしゃげた柵の端にバランスが良かったのか運良く引っかかっていた。

心許ないその柵に手をついてできる限り腕を伸ばす。

「よっし!取れた!」

なんとか指先でネックレスをたぐり寄せてしっかりと握る。

一安心しつつふと、その伸ばした腕の先に誰かがいる事に気づいた。

「えっヒロ君!?!?」

「「!?」」

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作者名:あやか | 作成日時:2018年8月17日 17時

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