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病院へ行き、身元を証明すると
とある個室に連れて行かれた。
そこには泣いているAのお父さんお母さんがいた。
そして、警察の人からの説明を聞いた俺は
涙するしかなかった。
正直、警察の人が口を開いた瞬間からの記憶がない。
Aの姿が見たいと言っても
検死中と言われ、本当にあいつが死んだのかわからない状態が1週間近く続いた。
割れた花瓶は片付け、枯れてしまったマリーゴールドを捨てている時、Aのお父さんから葬式の案内が来た。
会うまでは信じないと思っていたけれど
いざ会う日が来るとなると会いたくないと思ってしまった。
葬式の日、あいつの顔を見ることは出来なかった。
だけどAのお母さんは泣きながら俺にあるものを渡してくれたんだ。
「これ、絹張くんに…」
と。
それは紛れもなく最後の日、一緒に買った
ペリドットの指輪だった。
それを見て全て悟ったんだ。
あいつは今俺の目の前にある棺桶の中に入ってしまっているってこと
あいつは不慮の事故で死んだということ。
実感が湧かないまま、心の中に大きな穴がポッカリと空き
それからはあっという間に過ぎ
気が付けばあいつが亡くなってから半年が経っていた。
俺は毎日あいつから貰った指輪をして
あいつが遺した指輪をケースに入れ胸ポケットに入れ続けた。
Aと撮った写真は見れず、思い出の場所には行けなかった。
動画で明るいふりをするのも、もう疲れてしまった。
何もかも嫌になって自暴自棄になっていた時
マサイから集合がかかり、俺らは久しぶりに全員で集まることになった。
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鈴木佳花 - 最後めっちゃ泣いちゃった (2019年2月1日 19時) (レス) id: 8c51f3c097 (このIDを非表示/違反報告)
リサル - 君を忘れたいを聴きながら、読んでいたので、なんだか、曲とあっていて、倍泣いてしまいました。とってもいい作品です! (2018年11月25日 17時) (レス) id: 0d0f76e2d7 (このIDを非表示/違反報告)
るる - なんか、「君の膵臓を食べたい」に似てる気がする。 (2018年8月5日 15時) (レス) id: 5f41b25908 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあゆあ - めっちゃ泣いてしまいました~!いい作品! (2018年6月22日 19時) (レス) id: d4e608e91e (このIDを非表示/違反報告)
ういろううり(プロフ) - 話がすごく良すぎて泣いてしまいました。すごくいい話! (2018年5月31日 23時) (レス) id: 5156ec9647 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すば∞なな | 作成日時:2017年6月25日 22時