犬猿の仲【Fischer's】

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どれだけ待っても起きない諒を








どうすれば起こせるかを考えた。









「シルクロードー、朝だぞー」









考えた挙句、大声で起こすのが私。








「うっるせえな」









「シルクロード、起きてくださーい」









「起きてるっての」









もぞもぞと動く諒の側に行き









布団を思い切り剥がした。









「やめろよー」









あ、さっきと比べて機嫌いいじゃん。









「朝のランニング、行かない？」









「お前病人だろうが」









「うるさい、行くよ」









病人扱いされるのが嫌で、そう言ったはいいものの









夜に飲んだ痛み止めが切れたのか、









諒のベッドに座った瞬間、目の前が眩むような激痛が私を襲った。









「大丈夫か？」









倒れ込みそうになった私を慌てて抱きしめる諒。









「大丈夫、大丈夫…こんなの慣れっこだから」









いつもの強がり。









大丈夫って言い聞かせれば本当に大丈夫になる気がするから。









「お前は大丈夫が口癖かよ」









そう言って私を寝かせて薬の入ったポーチを持って来る諒。









…薬、見られてたんだ。









「水、俺の飲みかけでいいか？」









「…うん」









ほらよ、と渡されたペットボトルのキャップを開け、何事もなかったかのように多量の薬を飲んだ。









諒が何も見ていなかったことにしてくれたように。









「お水…ありがとう」









「全然。楽になったら、ランニングは無理かも知れねえけど、散歩でも行くか」









諒の口から出たその優しい言葉で









私はますます彼に惚れていく。









「…ほんとたらこ猿だよね、諒は」









「誰がたらこ猿だよ」









考えないようにしなきゃって思えば思うほど









彼の魅力にどっぷりと浸かっていく。









「…ありがとね、諒」









やっぱり諒を選んで良かった。

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