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本当はずっと起きていた。








キスをされた時も








あいつが弱音を吐いた時も。








ただ、起き上がるタイミングを逃し








ひたすら寝たふりをして誤魔化していた。









「あ、もしもし。ダーマくん?」









うっすらと目を開け声のする方を見た。









「ごめんね、朝早くに。








相談したいことがあって」









なんでこいつはダーマと電話してんだ?








「いや、そんな重大な話じゃないよ。








いやいや、違うって」









きっとダーマが電話口でボケてるんだろう。









彼女は楽しそうに笑っていた。









「ふふ、あのね、本題言うよ?









私ね、諒のこと大好きかもしれない」









なんだよ、その顔。









幸せそうに、真っ赤な顔して笑って









どうして俺には言わないんだよ。









「なんでって?









なんでだろ、しろくま効果かもね。









そうそう、しろくま。諒はしろくまだよ。本当困っちゃう」









楽しそうに通話し続けるA。









「たらこ猿?確かにそうかも!」









この野郎。悪口言いやがって。









誰がたらこ猿だよ。









「まあね、ずっとこれからも私諒のこと好きだと思うからさ









…もし隠し切れなくなっちゃった時は









どうしたらいいんだろうね」









急に暗い顔をして振り返るA。









俺は慌てて目を閉じた。









「…うん。そうだね









それもありかもね。ありがとう、ダーマくん」









携帯をどこかに置く音がする。









きっと電話を切ったんだろう。









彼女が最後にダーマと何を話したのかはわからないけれど









俺が自分が考えている以上に









Aの事が好きだとわかった今









悪友らしく振る舞うとは何かを必死に考えた。

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作品ジャンル:恋愛
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鈴木佳花 - 最後めっちゃ泣いちゃった (2019年2月1日 19時) (レス) id: 8c51f3c097 (このIDを非表示/違反報告)
リサル - 君を忘れたいを聴きながら、読んでいたので、なんだか、曲とあっていて、倍泣いてしまいました。とってもいい作品です! (2018年11月25日 17時) (レス) id: 0d0f76e2d7 (このIDを非表示/違反報告)
るる - なんか、「君の膵臓を食べたい」に似てる気がする。 (2018年8月5日 15時) (レス) id: 5f41b25908 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあゆあ - めっちゃ泣いてしまいました~!いい作品! (2018年6月22日 19時) (レス) id: d4e608e91e (このIDを非表示/違反報告)
ういろううり(プロフ) - 話がすごく良すぎて泣いてしまいました。すごくいい話! (2018年5月31日 23時) (レス) id: 5156ec9647 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:すば∞なな | 作成日時:2017年6月25日 22時

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