俺が殺した。【Fischer's】

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あの忘れられない日から7年。






Aの追悼のために






罪を償うために






俺らは集まって動画投稿を続けていた。






大好きな彼女を失ったという心の傷は






月日が経つにつれ






深く、大きくなっていく。






擦り傷のように消えてくれるなら






どれだけ楽なんだろう。






時計も







写真も







捨てられないまま。








重いのかも知れないけど








ずっと忘れられないまま。







今日もまた思い出の土手に行く。






Aは未だ行方不明のまま。






亡くなっている確率の方が高いけれど






諦めたくなかった。






遺体を見ていないのに






発見していないのに






死んだと決めつけたくなかったんだ。






「A、今日も来たよ」






彼女の時計を見つけた場所に花を手向け






そっと涙を流す。






「会いたいなあ…」






こんな事になるなら






こんな事になるとわかっていたなら






臆病者にならずに






キスをすればよかった。






抱きしめればよかった。






もっと一緒に帰ればよかった。






好きってもっと言えばよかった。






後悔がひとつ、またひとつと重なる。






風に吹かれ散ってゆく花の如く







大好きだったAの顔も







思い出も







どこか遠くへ飛んでゆく。

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