俺が殺した。【Fischer's】 (ページ14)

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「ぺけたん歩くの遅いー！」

ぺ「クレープは逃げないよー」

「逃げちゃうかもしれないじゃん！」

俺の前を足早に歩くAちゃん。

ポニーテールが軽やかに揺れる。

「はーやーくー！」

振り返るAちゃん。

スカートがひらりと舞って

「早くぺけたんとクレープ食べたいんだー」

きらきらと輝く笑顔が俺の顔を見つめる。

Aちゃんは

Fischer'sの影のリーダーだった。

彼女の明るさに釣られて

俺らは集まった。

シルクの面白さにもなんだけど。

「ほら！行こ！」

俺の右手をぎゅっと握るAちゃん。

こうゆうことを素でやっちゃうから

モトキが悩んだりするんだよなあ。

「あ、ねえこのキーホルダー見て！みんなで揃えたら可愛くない？」

Aちゃんがある店の前で止まる。

ぺ「おー、いいね」

「んーでも500円か…ちょっと高いね」

ぺ「そうかな？」

「うん。…あ、いけない。クレープ、クレープ！」

ぺ「夜ご飯食べれなくなるし食べなくていいよー」

「いいからいいから！」

ぺ「本当に引っ張っていく力あるよね」

「え、私シルクより全然力弱いよ？」

ぺ「違うよ、人を精神的に引っ張っていく力」

「統率力みたいな？」

ぺ「そうそう」

「んー、自覚ない！」

「あ！あったよ！クレープ屋さん！」

クレープ屋を見つけ一目散に俺の手を握って早足になるAちゃんの後ろ姿を

この日一緒に食べた生クリームたっぷりのクレープの味を

これからもきっと俺は忘れられない。