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部屋に沈黙が流れる。
私は返すべき言葉を見失っていた。
貴方のために
頷くのが一番良いに決まってる。
そんなことわかりきっているけれど
やっぱり心のどこかで
別れたくない、と思ってしまう。
せっかく会えたんだから
遠くへ行かないで、とわがままに思ってしまう。
そんなの自分勝手なのに
「お前はどうしたい?」
そう投げかける君に
返す言葉が見つからない。
いや、見つけたくなかったんだ。
黙り込んでいたら貴方が答えを出してくれるような気がしたんだ。
「黙ってちゃわからねえよ」
そう儚げに笑う貴方の顔を
今まで私は見たことがなかった。
「…別れても繋がっていられるかな」
不安を一つ投げかける。
「俺が繋ぎとめる」
「…やっぱりさ
距離を置いたほうがいいのかな」
「俺はやりたいこと済むまでは彼女とかのこと考えないで
突き進みたいと思ってる」
大好きな人を支えるためなら身を引く覚悟なんて容易に出来ていたはずなのに
どうして今は出来ないんだろう。
どうして繋がっていたいなんてわがままが心を占めてしまうんだろう。
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819Love - 涙腺崩壊しました。これからも頑張ってください! (2019年8月13日 19時) (レス) id: 71d15e6b35 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ氏(プロフ) - 感動しました!これからも頑張って下さい (2018年11月13日 21時) (レス) id: 8d9cfe2156 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使のん - 思わず号泣してしまいました。本当に良い作品をありがとうございました! (2018年11月6日 21時) (レス) id: 51ad69ecdf (このIDを非表示/違反報告)
momomokako - 号泣しました。いい作品をありがとうございました。 (2018年8月14日 16時) (レス) id: de87504c5f (このIDを非表示/違反報告)
有枢(プロフ) - 涙が自然にポロポロと流れたきた(´;ω;`) いい作品をありがとうございます (2018年8月10日 13時) (レス) id: f414b669f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橘雫 | 作成日時:2017年4月26日 17時