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付き合って数年が経った今でも、彼が何故私を選んだのかはわからなかった。
聞いてみたいけれど、なんとなくとかだったら嫌だなと思って、聞くのはまた今度と先延ばしにしていた。
あの人はいつも何を考えてるかわからないし、突拍子で動くのは小さい頃からずっと変わらない。
慣れていたはずなのに、いざまた振り回される側になると、要らない事ばかり考えてしまう。
私の悪い癖だと呆れてしまう。
思い返せば、中3の時の夏祭り。
シルクには彼女がいて、そのくせに馬鹿だから夏祭りの日を間違えて、一緒に来られなかったと落ち込んでいるところを私は発見した。
慰めるために飲んだラムネ。
付き合い始めたあの頃、彼はまだそれを覚えていてくれていた。
でもやっぱり君は馬鹿だね。
A玉の話しか覚えてないんだ。
花火を見たことは?
花火の音に消されちゃったけど好きって言ったことは?
その後彼女から連絡が来て嬉しそうにそっちに行っちゃったことは?
君はやっぱり何も知らない。
いや、知らなくて良いんだけど。
君と付き合うまでに何回泣かされたんだろうね。
何回呆れたんだろう。
でもやっぱり好きだって何回思ったんだろう。
絹張くん、そんなことを君に送った河川敷の写真を眺めながら考えていたんだよ。
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花梨 - 楽しみにしてます!! (2018年11月6日 18時) (レス) id: e6157cc2f4 (このIDを非表示/違反報告)
橘雫(プロフ) - 花梨さん» ありがとうございます!色々と修正してもっとキュンキュンして頂けるような小説にしていきますので、お楽しみに! (2018年10月6日 22時) (レス) id: 1c9cad39f6 (このIDを非表示/違反報告)
花梨 - 最高すぎです!文才が神すぎです。終始きゅんきゅんでした。こういう感じのガンガン書いてください!めっちゃよみます!フィッシャーズ最高!!! (2018年10月2日 21時) (レス) id: e4eb9fe5a5 (このIDを非表示/違反報告)
橘雫(プロフ) - 書き直しを始めました。急ピッチで進めているため、誤字等あるかもしれません。その場合はご指定いただけると嬉しいです。 (2018年9月25日 15時) (レス) id: 1c9cad39f6 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - すごいですね!最初からこういうのにしようって考えてたんですね!?素晴らしい!! (2018年1月1日 22時) (レス) id: 2870e13e2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橘雫 | 作成日時:2017年4月17日 19時