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「俺まだわかんねえんだよ」
「何が?」
私の手を握りながらラムネを飲む君が急に発したその一言。
「お前がビー玉って話」
「まだ考えてたの?」
馬鹿にしたように笑うと
「大人になったらわかると思ったんだけどな」
「じゃあまだ子どもなんだよ」
「そうなのかもな
でも」
「ん?」
「俺はお前がA玉だと思うってことだけはわかった」
「えー、何それ」
「お前は、不良品になってそこら辺に売られるような価値がねえ女じゃねえってこと」
ラムネの中に入った玉を見つめながら話す君。
「おー、私が中学の時に思ってたことに近いかも」
「まじで?俺正解出した?」
「中学の時のはね」
「え?」
「私は今でも諒のこと、A玉だと思ってるよ。別の意味で」
「はー?それ俺絶対わかんねえよ」
「わかんなくていいよ」
「いや!悔しいから考えるな。
もしかしたら5年後お前に答え確認出来るかもしれねえし」
5年後。
それは私が君の隣にいない未来の話。
「いや、でもこれから毎日こうしてられんなら1年でわかっちまうかもな」
「そうだね」
私は心に浮かんできた悲しい気持ちを流し込むように残りのラムネを一気に飲んだ。
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花梨 - 楽しみにしてます!! (2018年11月6日 18時) (レス) id: e6157cc2f4 (このIDを非表示/違反報告)
橘雫(プロフ) - 花梨さん» ありがとうございます!色々と修正してもっとキュンキュンして頂けるような小説にしていきますので、お楽しみに! (2018年10月6日 22時) (レス) id: 1c9cad39f6 (このIDを非表示/違反報告)
花梨 - 最高すぎです!文才が神すぎです。終始きゅんきゅんでした。こういう感じのガンガン書いてください!めっちゃよみます!フィッシャーズ最高!!! (2018年10月2日 21時) (レス) id: e4eb9fe5a5 (このIDを非表示/違反報告)
橘雫(プロフ) - 書き直しを始めました。急ピッチで進めているため、誤字等あるかもしれません。その場合はご指定いただけると嬉しいです。 (2018年9月25日 15時) (レス) id: 1c9cad39f6 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - すごいですね!最初からこういうのにしようって考えてたんですね!?素晴らしい!! (2018年1月1日 22時) (レス) id: 2870e13e2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橘雫 | 作成日時:2017年4月17日 19時