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「それは、お前が綺麗だったから」


「え?」


またこの人は訳のわからぬことを言う。


「桜の木撮ってた時、正直お前が誰かわからなかった」


「忘れてたの?ひどい」


キリッと睨むと、少し動揺した表情を浮かべた。


「ちげーよ、あん時のお前、中学の時と違って髪長くなってたろ?」


「そうだね。いつもポニーテールにしてた」


失恋したからといって諦めていなかった私は、もっと可愛くなるために、とりあえず髪を伸ばすという安易なことをしていたのである。


「そ。お前が写真撮ってる間風で髪が揺れてたんだよ。
しかもお前は楽しそうに写真撮ってて、それがすげえ綺麗だったの覚えてる」


懐かしそうに語るシルクだけど、私が聞きたい答えはそれではなかった。


「でもそれが好きにはならないのがシルクじゃん」


「そーだな。あん時は好きなやつもいたしな」


悪戯に笑うその顔を殴ってやりたい。


「試合の後の嬉しそうなあの顔思い出すだけで腹立つ」


「ははは。報われなかったんだから許せよ」


その顔はあっという間に自嘲の笑みに変わる。


「で、なんで告白したの」


追い打ちをかけるように問い詰めた。


「お前から貰った写真」


ポロリと彼の口からこぼれた言葉。私はそれを聞き逃さなかった。


「え?」


「お前がくれた写真。全部俺かっこいいんだよ」


「なにそれ。気持ち悪い」


「実はさ、そん時他の奴にも写真頼んでて。
その中でもお前の写真はすげえ輝いてた。


それで思い出したんだよ。
中3の時、お前が告白して来た時に
これからも好きでいるからって言ってたこと」


また小っ恥ずかしいことを言ってくるのがこの人のずるいところ。


「そんなん言ったかな」


恥ずかしさのあまりとぼけて見せた。


「言ってた。
お前はよっぽどの事がねえと考え曲げねえ奴だから
写真見た時に俺のことまだ好きでいてくれてんだなって思ったんだよ」


「自信過剰にも程があるよ」


そんな私の一言に彼は大きく笑って


「こんなに俺のことかっこよくしてくれんのも
自信つけさせてくれんのもお前だけなんだよ」


と真面目な顔をして返した。


「ちょっと腑に落ちない」


そう言うと、自然と先程の彼のように大きく笑うことが出来ていた。

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設定タグ:Fischer's , シルクロード , フィッシャーズ   
作品ジャンル:恋愛
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花梨 - 楽しみにしてます!! (2018年11月6日 18時) (レス) id: e6157cc2f4 (このIDを非表示/違反報告)
橘雫(プロフ) - 花梨さん» ありがとうございます!色々と修正してもっとキュンキュンして頂けるような小説にしていきますので、お楽しみに! (2018年10月6日 22時) (レス) id: 1c9cad39f6 (このIDを非表示/違反報告)
花梨 - 最高すぎです!文才が神すぎです。終始きゅんきゅんでした。こういう感じのガンガン書いてください!めっちゃよみます!フィッシャーズ最高!!! (2018年10月2日 21時) (レス) id: e4eb9fe5a5 (このIDを非表示/違反報告)
橘雫(プロフ) - 書き直しを始めました。急ピッチで進めているため、誤字等あるかもしれません。その場合はご指定いただけると嬉しいです。 (2018年9月25日 15時) (レス) id: 1c9cad39f6 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - すごいですね!最初からこういうのにしようって考えてたんですね!?素晴らしい!! (2018年1月1日 22時) (レス) id: 2870e13e2c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:橘雫 | 作成日時:2017年4月17日 19時

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