ラムネ【Fischer's】

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シ「Aー行くぞー」






横になっている私に飛び乗ろうとしてくる諒。






あ「待って、行くから」






私は慌てて起き上がる。






シ「ほら、行くぞ」






私に差し出された手。






あ「え？」






シ「さすがにアメリカなら手繋いで歩いてもバレねえだろ」






そう満面の笑みで言う彼の手を握った。






歩いてプールに向かうことにした。






シ「歩くの早くねえか？」






そう言って歩く速度を落としてくれる彼。






手を繋いで歩いて初めて知った君の一歩の大きさ。






君の一歩は私の二倍なんだね。






二つに並ぶ影法師を眺めながら歩く。






モ「良かったね、願い叶って」






後ろを歩くモトキくんが声をかける。






シ「あ？」






モ「シルク、Aちゃんと手繋いで外歩きたいって言ってたから」






シ「そーだな」






恥ずかしそうに笑う太陽に照らされた君の横顔を私はちらりと見て






また影法師を眺めながら歩いた。






プールに着くなり着替えて撮影を始めることになった。





私はそんな彼らの泳ぐ姿を撮った。





モ「カメラ貸して。動画撮るから」





私は言われるがままカメラを差し出し





映らないように、そして暇潰しのため少し周辺を散歩することにした。





美味しそうなハンバーガー屋さんを見つけ店内に入る。





英語は苦手だから指をさしながら注文した。





持ち帰りをしプールに戻る。





ン「あ、帰ってきた」





あ「ごめん、探してた？」





ン「シルクがね」





あ「わかった、行ってくる。





あ、これハンバーガー買って来たよ」





ン「お、ありがとう」





ンダホくんにハンバーガーを渡しモトキくんと話す諒の元へ行った。






シ「お、おかえり」






あ「ただいま。ンダホくんが諒が呼んでたって」





シ「あー、お前も泳がねえかなと思って」





あ「泳ぐ？」





シ「夏、海一緒に入ってやれなかったから





ここなら人目も気にしねえで遊べるだろ」






私は少し考え断った。






シ「楽しいけどいいのか？」






あ「泳げないもん」





シ「教えるから着替えて来いよ」





あ「水着無いよ？」





シ「…また今度だな」





私はくすりと笑い彼らが着替えて帰ってくるのを





キラキラ光る水面を見ながら待っていた。

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