Episode1 ページ2
【同窓会当日】
サクラサクホテルではヴェスパニア王国の王女のレセプションが開かれていた。
Aはハイネックになっていて、スカートは膝丈のフレアタイプ、シアー素材のブルーグリーンのドレスを着ている。
ミルクティー色の長い髪はハーフアップにし、ドレスと同じカラーのバナナクリップで留めた。
「A、なんで私達ミラ王女のレセプションに参加してるの?」
カエデが尋ねてくる。
会場と言われ、通されたのがレセプションだとは誰もが思わないだろう。
「私の仕事だから、かしら。誰かさんがいきなりホテル取れなんて言うから、仕事の後すぐ参加できるホテルに頼んだのよ」
ほんと唐突なんだから、と文句を言うが、久しぶりにE組メンバーと会えるのが嬉しいのか何処か柔らかい表情を浮かべている。
「急でもやってくれるからAはいいよね。それも信用問題?」
「……カルマ。もちろん信用問題もあるけれど、たまには会いたいからって理由で、職権乱用してまで動くときだってあるわよ」
「へぇー?そこまでして、俺に会いたかったんだ?」
口角をあげて言うカルマには、「違うわよ!」と返すAの姿は、ただのツンデレにしか見えない。
「実業家も官僚も忙しそうだもんね……」
苦笑いをする茅野も人気女優である為、忙しいのだが。
「カルマ、茅野、Aさん」
「お、渚じゃーん。お疲れー」
「お疲れ様。今は私主催のものではないけれど楽しんでいってね」
昔のように並んでいるカルマとAを見て懐かしそうに微笑む。
「カルマとAさんは相変わらずだね……」
「でしょー?早く結婚すればいいのに」
中学の頃から名物カップルである2人は未だに恋人の域から出ていない……
「結婚はしてないけど婚約はしてるよ」
「え?」
はずだった。茅野と潮田の驚く声が揃う。
Aが左手の黒手袋を外すと、センターダイヤがきらりと輝くシンプルなプラチナリング。
「6月には式を上げるつもり。今はお互いに新年度始まったばかりだから忙しいの」
照れながらもはにかむAに茅野はニヤニヤしながら2人を見る。
「おめでとうAさん、カルマ」
「ありがとう」
「結婚式のときまた行ってよ、まだ完全に祝うときじゃないでしょ」
渚は悪戯な笑みを浮かべるカルマに苦笑いを返しながら「そっか」と言う。
4人がAとカルマの婚約について談笑していると、残りのメンバーもパラパラと揃い始めていた。
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銀狼(プロフ) - とても素晴らしい作品ですね!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2018年3月2日 0時) (レス) id: 6a75da4a5b (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 更新楽しみにしてます!頑張ってください!! (2018年2月19日 16時) (レス) id: 8194ec9183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿瀬心櫻 | 作成日時:2018年1月23日 23時