〔10〕END ページ10
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好きだって意識した途端、いつもの何倍もAのことが可愛く見えてくるから恋は不思議で。
「寒い。帰る」
「瑞稀先輩待ってください...立てませんっ、足に力が...」
真っ赤になった顔を覆って彼女が呟く。
「はぁ？ほんとバカ」
この10分にも満たない時間で、いったい俺は何回バカって言ったんだろう。
「ほら、手」
おずおずと重ねられた手を引っ張ると、バランスを崩した体はそのまま俺にもたれる形になった。
「ちっ、近いです！」
ぐいっと俺の体を押し返して、彼女は離れる。
あれだけ毎日「かっこいい」やら「好き」やら言ってぐいぐい押してきたくせに、押されるのは弱いらしい。
そんなことを知ってしまえば男は単純で、いたずら心が顔を出す。
「ねぇ。いつもみたいに言わないの？」
「なにをですか？」
「瑞稀先輩、好きですって」
「えっ!?あっ、すっ、…えっ、!?」
すごいテンパりよう。
やっぱり押されるのは弱いみたいだ。
Aをからかいながら歩けば、ものの数分で彼女の教室に着く。
「荷物取ってくるから、昇降口で待ってて」
「一緒に帰ってくれるんですか？」
「嫌なら別にいいけど」
「嫌じゃないです！もう幸せすぎてこわい...」
なんて可愛い言葉を聞きながら、教室に戻ろうとすると
「あのっ、瑞稀先輩！」
きゅっ、と右手の袖口を掴まれた。
立ち止まって、振り返る。
睫毛の長さがよく分かるほどの伏せ目な彼女は、一瞬だけちらりと伺うように俺を見ると、
「好きです」
なんて、今にも消えてしまいそうな声で言った。
彼女は恥ずかしくなったのか、また視線を逸らす。
もう何百回と聞いたはずのその言葉。
聞きすぎて特別な意味なんて持ってもいなかった言葉が今、特別な意味を持つものになる。
「知ってる」
「えっ、あっ！ちょっと、髪ぐしゃぐしゃにしないでください！！」
「はいはい(笑)」
髪を撫でたのが照れ隠しだって、彼女に気付かれてなければいい。
でもやっぱり、やられっぱなしは性にあわないから
「俺も好きだよ」
彼女の右耳に唇を寄せて囁く。
「顔真っ赤(笑)ほら、さっさと準備しろよ？」
また耳まで赤くなった彼女にそう言うと、笑って教室をあとにした。
【episode１＿何百回目のラブコール】END
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年上彼氏 - 意気地なしシンドロームってなんとなくですが、セクゾの名脇役入ってますか? (2020年6月12日 19時) (
レス) id: 865e89e5c1 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - 秘め事は、どこから見れますか？ログインすればいいんでしょうか…？ (2020年5月6日 0時) (レス) id: aa68e5a62c (このIDを非表示/違反報告)
riyona(プロフ) - 匿名希望さん» 秘め事は5月中パスワードを外しています。ご自由にご覧ください。 (2018年5月26日 20時) (レス) id: 5a9baba37b (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - ログインしてないのでメッセージ遅れないです。返信待ってます。 (2018年5月26日 18時) (レス) id: 65034c8742 (このIDを非表示/違反報告)
riyona(プロフ) - 匿名希望さん» ボードからご連絡いただけますでしょうか？誰もが見れる場でお伝えしてはパスワードの意味がありません。「メッセージ」でお送りいたしますので、ご理解ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。 (2018年5月26日 6時) (レス) id: 5a9baba37b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りゅりゅ
| 作者ホームページ：https://twitter.com/ryuryu_movie?s=09
作成日時：2018年2月19日 13時
