〔７〕 ページ7
.
放課後。
別に探してるわけじゃない。
たまたま１年生の教室の前を通っただけだ。
...なんて自分に言い訳をしながら、廊下を歩く。
１番端の教室が目的地。
目的地に着いて、中を伺うと教室にはひとりしかいなかった。
見慣れた、でも最近めっきりと見ていなかった後ろ姿。
「...い、....せんぱい」
静かに近づけば、その人物は何やらブツブツ言っている。
「...瑞稀先輩...瑞稀、井上瑞稀...」
「なに？」
「えっ？あっ、瑞稀先輩!?!?」
ハトが豆鉄砲をくらったような顔とは、きっとこれ。
振り向いた彼女は驚きを隠せないようで、パチパチとまばたきを繰り返した。
「なんで？えっ!?!?瑞稀先輩？」
「だからなんだよ。何回も名前呼ばなくたって聴こえる」
「え、あっ、えっと、え!?」言葉にならない声を発した彼女はおもむろに立ち上がると、
「おいっ！ばか、まて！！」
走って教室を出て行った。
「なんで逃げるんだよっ！」
「それは..っ、瑞稀先輩が追いかけてくるからですっ...!!」
やっと捕まえたのは、2階の非常階段。
久し振りの全速力に息があがる。
掴んだ彼女の右腕を離そうか離すまいか迷ったけど、さすがにもう逃げないだろうと思ってその手を離した。
「いきなり走るとか、バカかよ」
「だって、それは瑞稀先輩がいきなり現れるから」
「なにそれ。意味わかんない。まじでもうなんなの？」
苛立ちなのか、なんなのかモヤモヤした感情が一気に溢れ出る。
「なんで…なんで急に離れてくわけ？ほんと意味わかんない」
落ち着く暇なんてなくて、考えるよりも先に言葉が溢れ出た。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1075人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
年上彼氏 - 意気地なしシンドロームってなんとなくですが、セクゾの名脇役入ってますか? (2020年6月12日 19時) (
レス) id: 865e89e5c1 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - 秘め事は、どこから見れますか？ログインすればいいんでしょうか…？ (2020年5月6日 0時) (レス) id: aa68e5a62c (このIDを非表示/違反報告)
riyona(プロフ) - 匿名希望さん» 秘め事は5月中パスワードを外しています。ご自由にご覧ください。 (2018年5月26日 20時) (レス) id: 5a9baba37b (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - ログインしてないのでメッセージ遅れないです。返信待ってます。 (2018年5月26日 18時) (レス) id: 65034c8742 (このIDを非表示/違反報告)
riyona(プロフ) - 匿名希望さん» ボードからご連絡いただけますでしょうか？誰もが見れる場でお伝えしてはパスワードの意味がありません。「メッセージ」でお送りいたしますので、ご理解ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。 (2018年5月26日 6時) (レス) id: 5a9baba37b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りゅりゅ
| 作者ホームページ：https://twitter.com/ryuryu_movie?s=09
作成日時：2018年2月19日 13時
