〔10〕 ページ44
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『…私のせいでっ、……っ』
直樹「Aだけのせいじゃないよ」
なにも言わずに隣に座っていた彼が、初めて口を開く。
嘘でも彼は“Aのせいじゃないよ”とは言わなかった。
“Aだけのせいじゃない”
その言葉選びが、やっぱりなぁくんだなと思う。
正直な人で嘘のない。まっすぐな人。
正直で、嘘のない、まっすぐな人だから、
時々私は彼に目を背けたくなる現実を突きつけられる。
直樹「みんな思ってるよ。あの時私が…って」
『っ、……ぅ、…っひっく、………』
タオルと同じ。
清潔感のある香りが私を包み込んだ。
直樹『お疲れさま。がんばったね』
『……ひっ、……ぅぅ、…っ』
ぷつん、と何かが切れると我慢できなくなって言葉にならない声が漏れた。
それから、泣いて、泣いて、泣いて……
子どもみたいに泣きじゃくって。
なぁくんは子どもをあやすみたいに、トン…トン…と一定のリズムで私の背中を叩いてくれる。
.
どれくらい経ったんだろう……
大きくひとつ深呼吸をする。
『ありがとう、なぁくん』
アーモンド型の目を細めて笑った彼は、
直樹「トウコちゃん達が探してたよ。Aがいない！って」
「こーんな顔で」と人差し指で目尻をつり上げた。
直樹「早く行かないと怒られるね、これは」
『え、やだ(笑)じゃあ…行ってくるね』
直樹「うん、いってらっしゃい」
トン、と背中を押されて
ここに来たよりもずっと軽い足取りで、みんなのところへ急いだ。
その途中。
少しだけ寄り道をして観客席を見る。
……いないか。
試合前に見かけた場所に一世くんの姿はなかった。
せっかく応援に来てもらったのに、かっこ悪いとこ見せちゃったな…
「A！」
なぁくんが言ったみたいにトウコの目はつり上がっていないけど、
「すごく探したんだけど。余計な仕事増やさないでくれますかー？」
言葉は厳しい。
「ほーら、行くよ！」
『あ、うん』
……一世くん帰ったのかな？
後ろ髪を引かれながらも、トウコに続いて足を動かした。
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年上彼氏 - 意気地なしシンドロームってなんとなくですが、セクゾの名脇役入ってますか? (2020年6月12日 19時) (
レス) id: 865e89e5c1 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - 秘め事は、どこから見れますか？ログインすればいいんでしょうか…？ (2020年5月6日 0時) (レス) id: aa68e5a62c (このIDを非表示/違反報告)
riyona(プロフ) - 匿名希望さん» 秘め事は5月中パスワードを外しています。ご自由にご覧ください。 (2018年5月26日 20時) (レス) id: 5a9baba37b (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - ログインしてないのでメッセージ遅れないです。返信待ってます。 (2018年5月26日 18時) (レス) id: 65034c8742 (このIDを非表示/違反報告)
riyona(プロフ) - 匿名希望さん» ボードからご連絡いただけますでしょうか？誰もが見れる場でお伝えしてはパスワードの意味がありません。「メッセージ」でお送りいたしますので、ご理解ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。 (2018年5月26日 6時) (レス) id: 5a9baba37b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りゅりゅ
| 作者ホームページ：https://twitter.com/ryuryu_movie?s=09
作成日時：2018年2月19日 13時
