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龍斗side
早く帰りたくてしかたなかった。
2人は俺の幼なじみだから挙式も披露宴も感慨深くて感動したし、二次会もたしかに楽しかった。
でも、
『Aさん可愛くなってたよな』
『前の同窓会の時は彼氏いないって言ってたけど今どうなんだろう？』
『いなかったらまじで立候補したい！』
なんてトイレに行った時に聞いてしまった旧友たちの会話のせいで二次会中は気が気じゃなかったし、それなのに当の本人はそんなこと知らない様子で楽しそうに話してるし。
もうずっと、余裕なんてない。
Aちゃんに出会ってから、余裕があるふりをするので精一杯で、本当はずっと余裕なんてなかった。
自分から手放したくせに諦めきれなくて、やっとやっと叶った恋。
10年だ。Aちゃんを好きになって10年。
もう限界だった。
好きだと伝えただけじゃ足りなくて、早く2人きりになりたくて、その心も身体も全部全部俺のものにしたくてたまらない。
「…っ、ぁ…っ…んっ、」
Aちゃんは手の甲を口元に押し当てて、溢れ出る声を無理やり押さえつけている。
俺を受け入れて、その律動に合わせて小刻みに揺れ動く姿は、何ものにも変え難いほど可愛くて愛おしくてたまらない。
「さく…ちゃっ、ん…っ」
舌ったらずの甘えた声で名前を呼ぶその唇にもう何度目かもわからないほどの口付けを落とせば、舌が絡んで甘い唾液が交わった。
1度は諦めた恋。
それでも諦めきれなかった恋。
その恋が、いまここにある。
だからもう一度、
「作ちゃん、好き…っ、大好き…っ、」
君との恋を、
「Aちゃん好きだよ」
今ここから始めよう。
これは恋の話。
2人の最後の恋になる話＿＿
【もう一度、君と。#恋終】END
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作者名：りゅりゅ
| 作者ホームページ：https://twitter.com/ryuryu_movie?s=09
作成日時：2019年1月13日 6時
