さくまくんと私 (ページ15)

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もう一度、君と #恋終ページ15

こちらはこの恋の終わらせ方。〔完結〕の再会後のお話です。
こじらせている2人にもう少しだけお付き合いください。
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そっと私を包むように回されていた腕がほどけ、ゆっくりと身体が離れる。

左手に付けた腕時計を見た作ちゃんは「そろそろ時間だね」と呟いた。

「行こっか？」

「うん」

視線が絡まる。
まるでそれが合図かのように、何も言わないまま隣を歩く彼に右手を絡め取られた。

今までだって作ちゃんと手を繋いだことはある。
でもそれは繋いだというより、“私が一方的に掴んで引っ張った”と言う方が正しいかもしれないけど。
それでも形として繋いだことはあって、でもこんな繋ぎ方は初めてだった。

指と指がしっかりと絡まるように繋がれた手。
そこからこの慌ただしく動く胸の鼓動が伝わってしまうのではないかと不安になるほど、それほどまでに私達の手はしっかりと繋がれていた。

なんとも言えない擽ったさが胸に湧き上がって、繋がれた手と彼の顔を何度も見比べてしまう。

自然と上がる口角に、締まりなく緩む頬。
それに気付かれたくないと思っていても、やっぱりこのエスパーに隠すことなんてできないようで、

「さっきから挙動不審だよ」

なんて右隣にいるその人にケラケラと笑われてしまう。

「だって…なんか変なんだもん」

「変って？」

「いつもの作ちゃんじゃない。なんか違う」

「そう？あ…でも、親友じゃなくて彼氏になったからさ、やっぱりそれはちょっとは変わるんじゃない？」

「……っ！」

ああ…ほんと。この人はずるい。
こんなにもサラリと“彼氏”なんて単語を使うから、私の聞き間違いなんじゃないかと疑ってしまう。

手の繋ぎ方ひとつ。
それすらも二人の関係が“友達”から“恋人”に変わったことを物語っていた。

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