この恋の終わらせ方。〔完結〕

7 ページ7

.



初めて話した時にも思ったけど、作間くんの口ぶりやあの二人の様子からして3人は以前から知り合いなんだと思う。

…たぶん。いや…確証はないけど。






「俺たち幼馴染なんだ」







その言葉に驚いて、咄嗟に左を見た。





心の中で思った言葉は声になんてしていない。

していないはずなのに…なんで？

なんでバレてるの？





あ。もしかして作間くんってエスパー？
だから人の考えていることがわかるとか？

だったら仕方ないよね♪………なんてことあるかっ！




なんて、慣れないノリツッコミをしてしまうほど驚いた。




左隣の作間くんは相変わらず何を考えているのか読めない表情だ。

だからこそ、そんなことはないと分かっていながらも、彼はエスパーなのかもしれないと思ってしまった。





「3人で同じクラスになったのは小学校以来だけどね」

「仲いいんだね」

「まあ、こんな頃から知ってるから(笑)」ってエスパー作間くんがスマホで見せてくれたのは、幼稚園児くらいの子ども3人がじゃれあっている姿。







愛嬌がこぼれるほどに笑っている岩山さんらしき女の子。

寝転んだその女の子に押しつぶされるようにして下敷きになっているのは、幼い顔つきの作間くんと井上くんだ。

作間くんは笑っているけど、井上くんの方は眉をひそめて憂鬱そうな顔をしていた。






その写真は育児雑誌の表紙にでもなりそうなほどのクオリティで、やっぱりイケメンや美人っていうのは、昔からかっこよかったり、可愛かったりするらしい。

3人とも既にこの頃から輝きを放っていたんだろうって安易に想像がつく。







それから「あ。」と何かを思い出したみたいに声を漏らした作間くんは、私の顔を見ると


「怒られるから、この写真見せたこと瑞稀くんには内緒ね(笑)」


いたずらをした子どもみたいな無邪気な顔で白い歯を見せて笑った。



.

8→←6

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す