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「大学…第1希望だったところ合格してたって本当なの…？」
そう私が尋ねると、目にかかる長さの黒髪から覗く茶色い瞳が丸く見開かれた。
それからはぁ…と深くため息を吐き出すと、
「もしかして瑞稀くんに聞いた？言わないでって言っておいたのに」
眉をひそめて苦笑した。
「合格したのに…なんで行かなかったの？」
「なんで、か。…そんな所よりもっと行きたい大学があった。それだけだよ」
「それだけって…」
「偏差値とか知名度とかそんなのどうでもよくなるくらい行きたい場所があったから、俺はそこに行っただけ。だから別に後悔なんてしてないし、むしろ行ってよかったって思ってる」
それは本当に清々しい表情で、その言葉に嘘はないように思える。
他に聞きたいことは？とでも言いたげな様子で、彼はまた「ん？」と首を傾げた。
「ねぇ、覚えてる？前に“好きな人いる？”って聞いたら“いない“って答えたよね」
「あー…そんなこともあったね」
「だったらなんで？なんで華乃ちゃんと付き合ったの…？」
ずっとわからなかった…彼が彼女と付き合った理由。
私が知らなかっただけで好きだった？
それとも好きでもないのに付き合ったの…？
だとしたら、なんでそんなこと……
「知りたかったから」
歳を重ねて少しだけ低くなった声。
ピリッと…少し張り詰めたような空気をまとった声が鼓膜を震わせる。
「俺が誰かと付き合ったら、Aさんがどう思うか。知りたかった」
「私が…どう思うか…？」
「嫌だ、やめてって、Aさんがそう言ってくれるんじゃないかって…期待も少ししてた」
「なにそれ…」
「…いや…ごめん。嘘、冗談。今の忘れて」
「久し振りに喋るから緊張してるのかな」って彼はヘラヘラと笑って私から視線を外した。
人のことはいつも見透かしたみたいに真実ばかりを言うくせに、彼はいつだって自分の心の内は見せてくれない。
……でも、もうたくさんだ。
嘘も、誤魔化しも、…もうたくさん。
「作間くんにとって私はなに…？」
それが1番知りたかったこと。
それが1番聞きたかったこと。
「作間くんにとって私はなんなの……？」
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の - 凄く感動しました。作ちゃんがもう作ちゃんで場面が想像できました。瑞稀くんが結婚するって言った時は泣いてしまいました。片想いって本当にしんどいです。作ちゃん最後は報われてよかったです。久しぶりにこんな胸が痛くなりました。 (2021年8月31日 23時) (
レス) id: 2c22fbd9c9 (このIDを非表示/違反報告)
asumin110(プロフ) - これの作間くんがあったら是非読みたいです！！！ (2021年3月6日 8時) (レス) id: 310d1e6e98 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりー - 今更感想すみません。最後めちゃめちゃ泣いたし井上担なのにすごく幸せな気持ちになりました……読んでよかったです！！ (2019年12月4日 1時) (レス) id: 533c7622c3 (このIDを非表示/違反報告)
じ ゅ き * - 呼んでて涙出てきちゃいました!! これからも作品楽しみにしてますっ (2019年10月24日 19時) (レス) id: 3ad5a89366 (このIDを非表示/違反報告)
ニャニャコ - めちゃくちゃ良かった！ (2019年8月24日 15時) (レス) id: 6881cb58fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りゅりゅ
| 作者ホームページ：https://twitter.com/ryuryu_movie?s=09
作成日時：2018年11月19日 11時
