残酷なほどに美しい愛を最終章《M.Jun》【4/30更新】 (ページ10)

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連絡もなしに家に来た彼はいつもと様子が違う。

『美絵子さんはさ、知ってた？』

「・・・何を？」

ホントは薄々わかっていた。
彼をこんな風に、こんな風に弱く出来るのはきっと彼女しかいなくて…だから、何を聞かれるかなんてわかってた。

『Aが結婚するってこと』

ほらね、正解。

「……ごめん」

『そっか』

違う…

違う…

違う…

『ひとこと言ってくれたっていいのにね。そんな信用ないか、俺(笑)』

こんなの彼じゃない。

『結婚なんてされたらもう何も出来ないわ。てか良かった…好きって言う前で(笑)』

今、私の目の前にいるのは潤くんの皮を被った別人だ。

彼は、こんなに寂しく笑ったりしない。

私の知ってる彼は、こんな言い訳みたいなこと言わない。

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私が好きな彼は、

『アイツが結婚なんてウケるわ』

Aちゃんを“アイツ”なんて言ったりしない。

こんなの、彼じゃない……

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