残酷なほどに美しい愛を最終章《M.Jun》【4/30更新】 (ページ17)

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◆6-17◆《Jun》ページ17

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久し振りに見た彼女はまた綺麗になっていて、

でも、それが他の男のためだと思うと切なくなる。

短くなった髪を耳にかけた左手の薬指が、キラリと光る。

他の人のモノだと静かに主張するリングが、あの日見たオトコの姿を思い出させた。

『結婚、するんだろ？』

『……、うん』

なんで俺は今まで言えなかったんだろう。

何に捕らわれて迷って…伝えられなかったんだろう。

『おめでとうって、ホントは言いたかったんだけどさ、言えない』

今なら、

今ならこんなに簡単に

『好きだよ』

そう言えるのに。

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『Aが好きだよ』

言葉にして改めて自分の想いに気付く。

叶わないと知った恋。
こんなの俺の自己満足で、彼女にとっては迷惑でしかない。

そんなのわかってるけど、どうしても伝えたかった。

もう、会えないだろうし

会わないだろうから。

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これで最後になるなら、

どうしても好きだと伝えたかった。

それから、

まっすぐに俺を見つめる彼女が何かを言う前に、

『じゃあ、な……』

逃げるみたいにドアを閉めた。

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