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おかしな先輩 ページ5

伏黒side


隣でケラケラと笑いながら、開けてもいない飲み物を手に持つ先輩。



飲み物を買おうと少し離れた場所に設置されている自販機に向かうと、そこにはまだ少し湿った髪を垂らしながら俯く先輩の姿があった。

声をかけたときにほんの一瞬だけ見えた、真っ黒な視線。全ても飲み込んでしまいそうなその瞳に、思わず息が詰まりそうになった時。


先輩はいつものようにヘラリと笑って何事もないかのように振る舞った。



「久我先輩、何かあったんですか」

『強いて言うなら五条先生のシゴキかな』

「それは知ってます。それ以外に」



えぇ?と少し困ったように眉をハの字に歪めるが、その表情はどこか楽しそうに見えた



正直俺は虎杖みたく相手の気持ちを最大限読み取ることはできないし、釘崎のように掛けてほしい言葉をすぐに思いつくこともできない。

だけど、俺は相手のほんの少しの気持ちの変化には敏感な自信がある。



出会った当初から久我先輩のことは変な人だと思っていた。もちろん今でもそこは変わらないのだが、それ以上にこの人は自分の気持ちに素直すぎるあまり、遠回しに他人を遠ざけている印象を持っている



人と関わるのが苦手なのかと思った時もあったが、話を聞いている限り人と話したりするのは好きなようだし、むしろその時間を楽しんでいるようにも思えてしまう



『そういう伏黒くんは最近何かあったりしないの?』

「ないですね」

『早いよ』

「まぁ、任務に追われてますから」



大変そうだねと笑う姿は、先程より少しだけ楽しそうに見えた。…この先輩は何か隠し事をしている気がする

勿論それを無理に聞き出そうとは思っていないが、ここまで隠されると気になってしまうのは仕方がない。




『そろそろお腹空いてきたし戻るかぁ。じゃあね伏黒くん』

「…先輩。もし何か抱えてるんだったら、俺以外でもいいんで話してください」




立ち上がって先輩の部屋とは真反対方向に行こうとする先輩に声をかけると、ひどく驚いた様子で俺を見つめる。

また困ったように顔を歪めて何も言わずに行く先輩の後ろ姿を、俺は再度止めることはできなかった

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設定タグ:呪術廻戦 , 高専 , 呪霊   
作品ジャンル:ラブコメ
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どどまる(プロフ) - 🍞さん» ありがとうございます✨スローペースの更新にはなると思いますが、楽しんで頂けるよう励みます🙌 (10月12日 19時) (レス) id: c4fbd224fc (このIDを非表示/違反報告)
🍞 - めちゃくちゃ面白いです!! これからも頑張ってください!!! (9月26日 16時) (レス) id: 5f87212f07 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:どどまる | 作成日時:2023年9月12日 5時

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