日常 ページ1
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夕日に照らされた教室。橙色に染められた教室は暖かな空気を纏っていて、どこか儚い空気を醸し出している。外から聞こえてくるのは部活動に勤しむ生徒たちの声。そんな青春の一コマのような光景に眩暈がしそうになる。
どこからともなく誰かのピアノの音が聞こえてくる。そんな耳を傾けないと聞こえてこないような音を拾えてしまうほど、静まり返った教室。そんな静寂という言葉を具現化した空間に立っている男女二人。
私と、何度か会話を交わしただけの同じクラスの男子。お互い口を開くこともなく、どちらかが口を開くのを待っている。
私は目の前の彼に呼び出されてこの教室に待っていたのだから、本来ならば彼が端的に要件を話してくればいいはずなのだが。
――告白…にしては気まずそうな表情
私は目の前に立っている男子に対して、それなりに好意を抱いている。しかしそれは本来恋をしている人間が抱くような甘酸っぱかったりするような感情ではなく、本当に人として少しだけ好意を示しているという些細なものだ。
そんな事を考えている私がこんな恋愛漫画のワンシーンのような状況に立っているのには、とある理由があった。
「俺…幼馴染のアイツが好きなんだよ。だからさ、Aがよかったら…」
そんな協力を要請するような言葉を頬を染めながら言うのは如何なものだろうか。何も知らない人が見たら告白の現場だと勘違いされてしまうだろう。それこそ、その幼馴染ちゃんが見ていたらどうしてくれるんだ…
そんなことを思いながら当たり障りない言葉を探していると、不意に教室の扉の方から誰かが走り去る足音が聞こえた。それは私の想像していた中で最も最悪な状況を示していることは誰がどう見ても明白だろう…
「今のって…！悪い、俺行かなきゃ…！」
私の返事を聞く前に教室から飛び出していった彼の背中を見届けながら、誰の耳にも入らないような小さな声で呟いた。
『当て馬女、今日も健在』
中身のほとんど入っていない鞄を持ち上げて、橙色に染められた教室を後にする。きっと彼は今頃、校門の辺りで幼馴染ちゃんに対して勘違いを弁明している頃だろう。せっかくだから旧校舎の方の自販機で飲み物でも買ってから帰ろうか。
なんで私が彼らに対してここまで気を遣っているのかわからないが、このまま帰って巻き込まれるのだけは避けたい。面倒ごとになるのは目に見えているのだから。何度目かもわからないため息を溢しつつ、自販機のボタンを押した。
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どどまる(プロフ) - ゆずごろもさん» 細かな点に気づいていただけて嬉しいです！今作もよろしくお願い致します！ (1月25日 23時) (
レス) id: 4c8d7d9c47 (このIDを非表示/違反報告)
どどまる(プロフ) - 箱の湯さん» 前作から…！ありがとうございます！今後も不憫な夢主ちゃんとの掛け合いをお楽しみいただけるよう、精進して参ります！ (1月25日 23時) (レス) id: 4c8d7d9c47 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずごろも(プロフ) - 口癖が完璧すぎて最早LOVEでふ (1月25日 22時) (レス) @page9 id: b79b00a0df (このIDを非表示/違反報告)
箱の湯(プロフ) - 前作を読んで影で密かに応援していたものです…！通知が来たことを確認して、今作品を拝読させて頂いたのですが…。夢主ちゃんのポジションが、不憫な学生の女の子という設定がとても好みで非常に美味しかったです…！！d!メンバーさんたちも同学年なのがいいですね…！ (1月25日 22時) (レス) @page8 id: 23839ce7d7 (このIDを非表示/違反報告)
どどまる(プロフ) - 田中さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます…！今作も是非お楽しみください！ (1月25日 12時) (レス) @page4 id: 4c8d7d9c47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どどまる | 作成日時：2024年1月24日 21時
