第四十二夜：黒いマギ ページ46
頑丈な作りの門を通り、城壁の内部に入る。そこは僕が今まで旅してきた国とは随分と違った景観だった。建物の作りも、あしらわれた装飾も、人々が着ている服も何もかもが。
整然と敷き詰められた石畳の道を歩きながら初めて見る光景に、きょろきょろと周りを見回す。普通に旅をしていたらきっとこんな城壁の内部まで見ることは出来なかっただろうから、これも何かの巡り合わせと考えればそれほど悪くないかもしれない。
なんて呑気に考えられたのも束の間のこと。突然、上方から殺気を感じた。危険を感じて後ろへ飛びのく。刹那、鋭い氷の刃が僕のいた場所に突き刺さった。
前を歩いていた紅明さんも、紅覇さんも突然の出来事に顔を硬ばらせる。反応を見るに二人が仕掛けたものではなさそうだ。後ろをついてきていた兵士の中には刃に驚いて尻餅をついてしまった者もいる。
「ちっ、外したか。なぁ紅明、そいつ誰だよ？なんか面白そうだから俺も混ぜろよ！」
「……ジュダル、私は今この人を兄王様の所へ連れて行く最中です。邪魔しないでもらえますか？」
「ソイツ、さっき言ってた侵入者だろ？ そんなのすぐ殺しちまえばいいじゃねぇか！」
黙って聞いていると何やら物騒な会話をしている紅明さんと黒髪の青年。次の攻撃を警戒しながらも空を見上げると、そこには宙に浮いた青年がいた。青年は自身の背丈を越す長さの黒髪を三つ編みに結い、黒装束を身にまとっている。
もっとも特徴的なのは青年の周りに真っ黒なルフが飛び交っているということ。それは堕転した人特有のもの。
宙に浮いているのは、浮遊魔法を使っているからだろう。右手に杖を持っているから間違いない。
「まずは、小手調べっ、と！
黒髪の青年は好戦的な笑みを見せると、右手に持っていた杖を振り下ろした。それと同時に僕めがけて無数の氷の刃が飛んできた。
それをその場から飛び退いて間一髪で避けるが、降り続ける氷刃を避け続けることは難しく、いくつかは僕のローブに傷を付けていく。なんとか突破口が無いかと、攻撃の合間に空を見上げてたとき異変に気付いた。
このまま耐えれば青年が魔力切れを起こして攻撃をやめてくれると思った。だけど見上げた彼は全然疲れる様子は無い。怪訝に思い、刃を避けることよりも青年を見ることに集中すると、違和感の原因が分かった。
周りのルフが彼に力を貸している。つまりは、堕転した青年はマギなのだ。
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えるふぃ(プロフ) - ブラピさん» １年前のコメントに返信失礼します。あわわ、面白いって言っていただけて光栄です！今から少し忙しさも減ってくるのでちょくちょく更新していきたいと思います！ (2018年8月29日 23時) (
レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
ブラピ - 小説とても面白いです！更新頑張って下さい！ (2017年8月6日 17時) (レス) id: 0c16c37c5e (このIDを非表示/違反報告)
SAAYA(プロフ) - 待ってます！！修正頑張ってください！！ (2017年6月8日 22時) (レス) id: d067831eff (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - SAAYAさん» SAAYAさん、すいません！まだ修正が終わってないのでパスワードをお教えできません。part１が終わるまで、もう少しの間お付き合いくださいませ。 (2017年6月8日 21時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - giftさん» giftさん、すみません！part２はまだ修正が終わってないので非公開にしています。まだまだpart１も続きますのでもう少しお待ちください。 (2017年6月8日 21時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2013年12月28日 23時
