第二十五夜：これって所謂、絶体絶命ってやつ？ ページ29
古びた建物の扉から中に入ると、開いた扉から吹き込んできた風で砂埃が舞い上がる。
長い年月使われていなかったであろうこの部屋は、かなり古びていて埃っぽい。
「宝物庫っていうより……物置きってカンジ？」
その様子を見て、アリババさんが声を漏らす。彼が言うように、この部屋はまさに物置きという表現が相応しかった。
「とりあえず、この部屋の中を探してみようよ」
ただ、このままずっと立っていても何も見つからないから、僕は二人に一声かけて探索を始めた。
だけどいくら探しても、この部屋に置いてあるのは石の置物ばかり。
ついに痺れを切らしたアリババさんが新たな提案を持ち出した。
「仕方ねぇ……他を当たろう！
まだ建物はいっぱいあるさ」
ここを出て、他の建物を探そうと言うのだ。
でもこの建物の扉に八芒星が描かれていたってことは、何か関係があると思うんだけどなぁ。
「おーい、A。何ぼさっとしてんだ？
次行くぞ、次！」
「あー……うん。
わかった、今行くよ」
なんて考えている間にもう、二人は出口付近にいて。
僕としてはやっぱり妙な引っ掛かりがあったけど、置いていかれるのも嫌だったから、二人の元に向かう。
どうせ僕一人でジンを見つけたってどうしようもできないし。
「うぁあああ！！」
そんなこんなであまり気乗りしなくて、ぼーっとしていた僕の意識は、突然響いてきたアリババの悲鳴によって覚醒した。
「え、何！？どうしたの？」
慌てて周囲をキョロキョロと見回すと、視界に入ったのは逃げ腰で剣を抜こうとしているアリババさんと、それを止めるアラジンくん、そして二人の前に立ち塞がる、領主が連れていた男性。
だけど、その男性はもう既に限界だったみたいで、すぐに地面に倒れこんでしまった。
「アラジン！！」
アラジンくんはそんな彼を心配して駆け寄ったが、その直後、何者かによって反対側の壁まで蹴り飛ばされてしまった。
だけど、こんな所までこれる人なんて限られてる。
「てめぇ……！！」
扉の向こうから姿を現したのは予想通り、領主とその奴 隷のファナリスの子。
この部屋の出口は一ヶ所だけで、そこには領主たちが。
いつもアドバイスくれるテンダーも、頼みの綱のアラジンくんのジンも、領主が持っている。
しかも相手はファナリスだ。
僕が彼女と純粋に体術だけで勝負したとして、初対面の時みたいに油断していない彼女に勝てる望みは少ない。
さて、どうしようか。
第二十六夜：責任を人に押し付けるのはやめようね。→←第二十四夜：闘いより何より友達作りがつらい。
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えるふぃ(プロフ) - ブラピさん» １年前のコメントに返信失礼します。あわわ、面白いって言っていただけて光栄です！今から少し忙しさも減ってくるのでちょくちょく更新していきたいと思います！ (2018年8月29日 23時) (
レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
ブラピ - 小説とても面白いです！更新頑張って下さい！ (2017年8月6日 17時) (レス) id: 0c16c37c5e (このIDを非表示/違反報告)
SAAYA(プロフ) - 待ってます！！修正頑張ってください！！ (2017年6月8日 22時) (レス) id: d067831eff (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - SAAYAさん» SAAYAさん、すいません！まだ修正が終わってないのでパスワードをお教えできません。part１が終わるまで、もう少しの間お付き合いくださいませ。 (2017年6月8日 21時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - giftさん» giftさん、すみません！part２はまだ修正が終わってないので非公開にしています。まだまだpart１も続きますのでもう少しお待ちください。 (2017年6月8日 21時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2013年12月28日 23時
