第十八夜：罪は素直に認めようね。 ページ22
天井に針が連なる通路を駆け抜け、唯一、刺し傷の穴が空いていない場所に滑り込む。
一瞬遅れて、アリババさんも辿り着いた。
今回の迷宮は、簡単な方かもしれないな。
そう思ったのも束の間、僕とアリババさんがいる床が突然開き、重力によって身体が穴に落ちていく。
その先には、刃の連なる地面……。
そのまま落ちたら、間違いなく串刺しだ。
さて、どうしよう……。
なんて悩んでいると、アリババさんは自分の横の壁を蹴り、向きを反転させて助かった。
咄嗟の出来事でも瞬時に判断し、行動できる彼には、毎度驚かされる限りだ。
「じゃあ、僕はこれで……｣
自力で助かったアリババさんに悪いが、衣服が裂けるのを
浮遊魔法を使うワケにはいかないので、予め用意しておいたのだ。
「そんなのあるなら乗せてくれよな……｣
「いや、アリババさんなら大丈夫だと思ってさ｣
実を言うと単に忘れてただけなんだけど。
内心ではそんなことを考えながらも、この場所に降り立った時に感じたことを口にする。
「アリババさん……これが竜の牙じゃないかな？｣
「確かに……あ、あっちに道があるぜ！｣
するとアリババさんは、人指し指で通路を指さして言った。
「ホントだ。行ってみよっか｣
そんな彼に確認するよう口を開き、彼が頷くのを見たあと、僕らは通路を進んで行った。
しばらく歩くと、前方に大きな扉が見えてくる。
「で……でけぇー！｣
「ホントだねー……。
じゃあ、ここから先はアラジン君と一緒に行こっか！｣
それを見て、顔を輝かせるアリババさんを見ると自然に笑みが洩れる。
……こんなに感情を面に出したのは、いつぶりだろうか？
「そうだな！｣
そんな疑問を心の隅に残しながらも、僕たちは、来た道を引き返し、近くにあった小さな穴から下を覗いた。
そこから見えたのはアラジン君と、モルジアナと呼ばれていた人間だった。
二人は丁度僕とアリババさんのことについて、話をしているようだ。
苦虫を噛み潰したような表情でモルジアナさんは、口を開く。
「ご友人達は……｣
彼女の緊張した雰囲気が、こちらまで伝わってくるようだ。
それより……僕たちが何なのだろう？
その疑問を解決するべく頭を悩ませていると、アラジンが上を見上げた。
……別に、少しへまをして石の欠片を下に落としてしまったからではない。
第十九夜：立場が逆転してますが？→←第十七夜：知ったかぶりは良くないですよ？
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えるふぃ(プロフ) - ブラピさん» １年前のコメントに返信失礼します。あわわ、面白いって言っていただけて光栄です！今から少し忙しさも減ってくるのでちょくちょく更新していきたいと思います！ (2018年8月29日 23時) (
レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
ブラピ - 小説とても面白いです！更新頑張って下さい！ (2017年8月6日 17時) (レス) id: 0c16c37c5e (このIDを非表示/違反報告)
SAAYA(プロフ) - 待ってます！！修正頑張ってください！！ (2017年6月8日 22時) (レス) id: d067831eff (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - SAAYAさん» SAAYAさん、すいません！まだ修正が終わってないのでパスワードをお教えできません。part１が終わるまで、もう少しの間お付き合いくださいませ。 (2017年6月8日 21時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - giftさん» giftさん、すみません！part２はまだ修正が終わってないので非公開にしています。まだまだpart１も続きますのでもう少しお待ちください。 (2017年6月8日 21時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2013年12月28日 23時
