w/r/w/r/d さん達のBL集！ぱぁと7

β.魔術書にないはずの呪文 utsha【1】 ページ8

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shaside

最近俺は、大先生にからかわれている。
少し前から、大先生が俺に「好きだよ」とか言ってくるようになったのだ。
前までもふざけてそんなようなことを言ってくることはあったけど、最近はそういうノリ
じゃないときにも単発でぶち込んでくるし、頻度も増えた。
……俺の気も知らないで。
正直、勘違いしそうになるからマジでやめてほしい。
俺たちは腐れ縁。
もう随分付き合いも長い。
あいつは元々たらしだし、おもろくて見てて飽きないし、それでいてやるときはやる奴だ。
……なんて、気付いたらもう好きになってた。
大先生のこと好きになってしまったって気付いた時は、軽く絶望した。
だってずっと一緒にいて、あいつの生き方を間近で見てきたから。
いつだって女子を口説いてて、大体女侍らせてて、浮気バレでブチギレられてるのなんか日
常茶飯事で、それでも懲りずに毎日女に声掛けて。
欲望に対してめちゃくちゃ忠実で正直で、まさに淫魔の血筋って感じだ。
だからこそあの危うさにクラっとくる悪魔は多いわけだが、それに誘われて淫魔に惚れ込
んだ悪魔に待つのは大体破滅。
伝説といわれる魅惑の女悪魔リリスは、どんな奴も惚れさせるだけ惚れさせて結局選ばず、
彼女を求めて争う男たちの骸の山を築いたとか言われてる。
……頭では分かってる。
あいつも規模は違うけど似たようなもんだし。
抜けててクズなとこはあるけど、根本として悪魔を魅了する方法はちゃんと押さえてる。
だからきっとこれからもあいつに惚れさせられる女はたくさんいるし、その度にあいつも
それに応えるだろう。
そして結局、それはあいつの欲望を満たすために過ぎなくて、あいつはきっとどの女にも心
から惚れることはない。

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