w/r/w/r/d さん達のBL集！ぱぁと7

α.奥義の呪文、練習中。 utsha【3】 ページ7

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そっと心の中で何度目かの決意をして、ゲームのローディングを待つ間に頬杖をついてぼ
ーっとしているシャオちゃんのほっぺを人差し指でふにっとつついた。

「なぁシャオちゃん、好きやで。」

すると、シャオちゃんは視線だけこちらに寄越してなんとも言えない微妙な表情をしてみ
せる。

「なに？暇やからって俺で遊ぶなや。お前のおもちゃになりにお前ん家来たんちゃうぞ。」

……ほら。やっぱり効かない。
シャオちゃんはなんでもなかったかのように僕の頬にも人差し指をズビシッと突き刺すと、
グラスに半分残っていたジュースをぐいっと飲み干した。
その表情は心做しかさっきよりも不機嫌そうに見える。

「ちゃうよ、おもちゃになんかしてへんやん？」

「……じゃあ、何なん？」

僕がジュースのボトルを差し出すとシャオちゃんはそれを少し乱雑に受け取りながら、じ
とりとした視線を突き刺してきた。
どうやら今日は、機嫌がいい方ではないようだ。

「ほんまに、シャオちゃんは可愛ええなーって思っただけやで？」

緩めすぎず、キメすぎず。
なるべく自然体で言えるようにと気を遣ったが、シャオちゃんは一層眉間に皺を寄せ、はあ
ぁ……と大きなため息をついて。

「……あほくさ。」

そう小さく呟くと、ジュースのボトルで僕の肩をしばいた。
……結構強い力で。

「いっっっったぁ…！？シャオちゃんこれ鈍器！！鈍器やから！！」

「うっせ、ばーか。」

急に来た強い衝撃に肩を押えて悶えている僕を横目に、シャオちゃんはむすっとした表情
のままローディングが終わったゲームの操作をかちゃかちゃとやりだした。
……今回も撃沈。
あーくそ、やっぱむずいわ。
あまりに伝わっていなくてへこみそうになる。
でも僕、今回は柄にもなく本気やから。
お前の隣、誰にも譲るつもりなんかあらへんよ？
時間をかけてでも、絶対理解させたるからな。
僕の本気、なめんなよ。
……だから今は、「お前に伝わる『愛してる』」は練習中。

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