続き ページ33
シャオちゃんの…シャオロンの事を愛してるからこそ。
シャオロンには幸せになってほしい。
自分の感情なんてもはやぐちゃぐちゃでもう訳わからないのにそれだけは自分の中にある、確実な想いだった。
自分たちの思いなんて関係ない厚い厚い雲があるんだから。
手に触れられるのにモヤがかかったように見えない雲というのは、俺たちにピッタリだと我ながら思う。
どれだけ手を繋ぎたくても、声が聞こえていたとしても、それは阻まれ手探りになり、結局空振りする。
無論、彼は気づいていないようだが。
俺は嫌われてもいいから、…寧ろ、嫌ってくれたほうが彼のダメージが少ないのならば。
辛くったってなんだって耐えられる。
不思議と涙が出てこない。今悲しいのかどうかすらわからなくなってきて、ソファーに寝転がった。
部屋の明かりが目に直接入ってきて思わず目を細めつつ、目の少し上の額に自分の右手をそっと置く。心なしかいつもより額が熱くて、知恵熱かもしれんな、と力なく笑いを零した。
元々静かだった部屋が一層寂寞になる。
俺らが動物園みたいなんてよく言ったものだ。
動物ならばこんなに考えることも悩むことも辛いことも、なかったんじゃないだろうか。
ぐるぐると回る思考がゆっくりと流れを止め、フワフワと浮いてくる。
それを倦怠感だと認識するより前に、俺は意識を手放していた。
「大先生」
俺の名を呼ぶ声が聞こえる。
それも、一番僕が願っているような彼の声で。
都合のいい夢だなと思いながら、その流れに身を任せた。
自分の弱さが垣間見えてしまう。
「大先生」
また聞こえる。やけに鮮明に聞こえる彼の声は、怒りと悲しみを含んでいるような声だった。
「はよ起きろや。」
馬鹿、と悪態を付け加えた声に急に意識がクリアになる。
パチリと目を開けると、怪訝そうな顔をしたシャオロンがいて俺のことを見ていた。
これは夢だ。きっと夢だ。
あれだけの事を言った僕のところに、彼が来るはずがない。
こんな事、あっていいわけがない。
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スイコン - 私もsha受け大好きです!小説かけるのが凄すぎるのであこがれます(*´ω`*)これからも更新待ってます! (3月9日 9時) (レス) id: 101a9efed5 (このIDを非表示/違反報告)
あーちあ(プロフ) - みんな大好き保存箱さん» わ、同志の方ですか…?そうなんです…好きすぎて辛い…。お話のシチュ、僕の性癖なんで同じ性癖ですね!← sha総受けですね?久しぶりに総受け書くので不安ですが、了解しました! (2023年2月6日 22時) (レス) id: c941e8c409 (このIDを非表示/違反報告)
あーちあ(プロフ) - ただの人さん» そうなんですよ…!二人共可愛いというイメージがあったので、そこから抜け出せなかったです…!喜んでいただけて良かったです!! (2023年2月6日 22時) (レス) id: c941e8c409 (このIDを非表示/違反報告)
みんな大好き保存箱 - (ut×shoいいですよね…お話のシチュめちゃくちゃいいし………)………リクエストよろしいですか?……sho総受けが少なすぎて地底を這いつくばっているんです。 (2023年1月31日 21時) (レス) id: fe795c33ba (このIDを非表示/違反報告)
ただの人(プロフ) - リクエストの方ありがとうございました…🥹いやマジでやっぱショッピくんもだいせんせーも可愛いですよね…うつしょぴの供給ありがとうございます…ごめんなさい、しばらくサイトを開いてなかったので更新に気付けず…こんな素敵なお話ありがとうございました! (2023年1月14日 17時) (レス) @page22 id: 28d0277656 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーちあ | 作成日時:2022年9月19日 18時